第94回選抜高校野球 大島、熱望の春切符 南風に乗り勝利誓う /鹿児島
<センバツ甲子園> 第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の出場32校が28日に発表され、鹿児島県奄美市の大島の出場が決まった。2014年春に21世紀枠で離島勢として初出場。8年ぶり2回目の甲子園は、熱望していた一般選考で選ばれた。昨秋の九州地区大会で準優勝し、その粘り強さが評価された。大会は3月4日に組み合わせ抽選会があり、同18日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。【白川徹】 大島の校長室に甲子園への「切符」が届いたのは午後3時40分すぎ。電話を受けた黒木哲二校長は「ありがとうございます。お受けします」と応じ、足早に別教室で待つ選手たちの元に急いだ。 そわそわした様子で待つ選手の前に黒木校長が到着し「センバツ出場が決定しました。おめでとう」と伝えると、選手たちは深く一礼。武田涼雅主将は「ここまで来れたのも歴代の先輩たち、島の人たちのおかげ。甲子園でも大島らしい野球をしたい」と決意を語った。 屋外に出た選手たちは、ガッツポーズで甲子園出場の喜びを爆発させた。監督と部長、コーチを次々と胴上げして感謝の気持ちを伝え、学校で配布された出場決定を伝える新聞号外を手に意気揚々と練習に向かった。 大島は昨秋の九州地区大会県予選で初優勝。九州地区大会では、初戦の大分舞鶴(大分)を引き分け再試合の末に降し、準々決勝はエース大野稼頭央投手(2年)が興南(沖縄)を完封して4強入り。準決勝は投球制限でエース不在の中、継投で競り勝った。決勝は九国大付(福岡)に敗れたが、堂々の準優勝だった。 夢の切符を手にした武田主将は「決まるまでドキドキしていた。甲子園では粘り強さに加えて、打力を見せてベスト8を達成したい」と意気込んだ。大野投手は「島に残って野球を続けていて本当によかった。甲子園までには直球150キロを目指して頑張りたい」と抱負を語った。 先輩が21世紀枠で出場した際に生まれた「島から甲子園」の合言葉とともに、南風に乗り甲子園での勝利を誓う。【白川徹】