『【推しの子】』を介して出会った中島健人とキタニタツヤ。異色ユニットGEMNの幸福な化学反応とは? OP曲「ファタール」制作秘話
愛を愛で返すような呼応が最初からできた
──キタニさんは中島さんへどのようなイメージを持っていましたか? やはり国民的アイドルという印象が強かったでしょうか。 キタニ そうですね。テレビの中の人だと思っていました。最初にソニー・ミュージックから今回のユニットの提案を受けたときは、「いやいや、そんなのあり? 無理でしょう」と。自分はインターネット世界の人間で、彼は半端じゃない王子様。年齢は2歳差で世代は同じですけど、出自や闘ってきた現場が違いすぎるから。 中島 斬新な組み合わせであることは間違いないね。 キタニ でも、実現したら絶対に面白いだろうなとも思いました。それからまず一緒に食事に行ったんですけど、裏表のない人で、テレビでの振る舞いが自然体だったということに驚きました。意外だったのは、反骨精神や、「誰にも負けたくない」という熱さを持っていること。シビアな下積み時代の話を聞いたときに、自分にも共感できる部分を発見できて。そこはいい裏切りでしたね。 中島 うれしいね。僕は、伝えたエネルギーをすごく丁寧に受け止めて、丁寧に返してくれる人だという印象を受けました。初対面のときって、遠慮したり照れてしまったりする人もいるじゃないですか。でもそういうところがなく、ちゃんと愛を愛で返すような呼応が最初からしっかりとできた。丁寧に取り組む方なんだな、と感じました。 キタニ 実は「絶対舐められたくない」って意気込んでいたんです(笑)。だから遠慮せずにズケズケといろいろなことを聞いて。もちろん仕事のため、クリエイティブに活かすためという部分もあったけど、「芸能人とか知らねえから」っていうモードがちょっとあった(笑)。 中島 (笑)。でも、しっかり言い合える関係性は理想的だよね。
店舗でショッピングする? ソファの色は?
──今日ここに来るまではお二人がどんな雰囲気なのかまったく想像がつかなかったんですが、すごく波長が合っていますね。せっかくなので、お互いに聞いてみたいことがあれば、些細なことでもぜひ質問していただけますか。 キタニ 聞きたいことはたくさんあるけど……健人さんって、ショッピングとかできなくないですか? 声をかけられたり、店員さんに覚えられちゃったりしそう。俺が健人さんの立場だったら、もう服なんてネットでしか買えないだろうなって。 中島 意外と気にしてないかも。百貨店とかも全然行くし、表参道とかでも普通に歩いてる。ブランドのショップとかって、入店までに並んでたりするじゃん。普通に並んでるからね。 キタニ そうなんだ!(笑) 俺はブランドとかは買わないですけど、この間、何回か行った服屋さんで店員さんから「Instagramで見ました! うちの服を着てくださってありがとうございます」って言われて、「この店にはもう来れない……」って思いました。 中島 そうなの?(笑) 俺は、存在認識まではギリギリOK。「ジュニアのときからTV見てました」とか言われたら、気になっちゃうかも。でも懇意にするのはいいと思うけどな。苦手なんだね。 キタニ たぶん自意識過剰なんです(笑)。何も悪いことをしてなくても「恥ずかしい!」ってなっちゃう。 中島 じゃあ次は俺からの質問。どんな部屋に住んでるの? キタニ (笑)。物が全然ないかな。いろんなところでもらったぬいぐるみが転がってます。 中島 ソファの色は黒? L字? キタニ ああー、そっち系じゃない(笑)。くすんだ青……IKEAみたいな色です。北欧っぽいテイストかな。家ではあんまりカッコつけたくないんですよね。カメラの前やライブでカッコつけるのさえも苦痛な人間だから。 中島 なるほどね(笑)。 キタニ 自分の音楽を届けるために、仕方なくやってるような感覚なんです。 中島 それはそれでカッコいいけどね。でも今回のユニットではカッコつけないと。 キタニ 苦痛ですよ(笑)。でも今回は案内役、P(プロデューサー)がいるから頼もしいですね。ケンP。これまでは自分の判断で「これであってるかな?」って探り探り進めることもあったけど、今回はすごく気持ちが楽です。