最終処分場あと50年で満杯か…東京23区と都が「家庭ゴミ有料化」検討 既に実施の立川市は可燃ゴミ排出量が前年度比17.5%減
東京23区で家庭から排出されるゴミは、東京湾の最終処分場に埋め立てられていますが、約50年後には満杯となり23区内での処分先がなくなってしまう恐れがあります。そこで、23区と東京都が検討を行っているのが、家庭ゴミの有料化です。 【画像】東京23区ゴミ処分場(東京都江東区海の森)
ゴミ最終処分場のさらなる拡張は困難
東京湾中央防波堤の外側にある廃棄物の最終処分場では、東京ドーム170個分にあたる794ヘクタールの広大なエリア全てが最終処分場となっています。 東京23区の家庭などから排出される可燃ゴミや粗大ゴミ、不燃ゴミなど1年間で約249万トンのゴミが焼却や破砕など中間処理がされた後ここに埋め立て処分されています。 船の航路を確保するため、最終処分場のさらなる拡張が難しいなかで、約50年後には23区から排出されるゴミの処分先がなくなってしまう恐れがあります。
23区と東京都が家庭ゴミ有料化を検討
現在の処分場を長く使うため23区と東京都はゴミ排出量の削減に効果のある家庭ゴミの有料化を導入する検討を行っています。 既に家庭ゴミの有料化を実施している多摩地域では、家庭ゴミの排出量が平均で1割ほど削減されていて、立川市では、有料化実施から1年後の調査で可燃ゴミの排出量が前年度比17.53パーセント減、不燃ゴミは、前年度比57.03パーセント減という結果が出ています。 23区における1人あたりの排出量は2022年の実績で約871グラムでしたが、有料化が導入されている八王子市は726.8グラム、日野市は600.5グラムなどとなっています。 葛飾区では、専門家や住民代表らで構成される委員会でゴミ削減に向けた家庭ゴミ有料化を検討することが決定され、2021年に策定された一般廃棄物処理基本計画に盛り込まれています。
有料化導入には23区の総意が必要
有料化の導入には23区の総意が必要となりますが、現在は江戸川区、世田谷区、千代田区など17区で葛飾区と同様に基本計画のなかに有料化の検討が盛り込まれています。 今後の資源循環施策に関する都と区市町村の共同検討会でも、2025年1月の幹事会で家庭ゴミの有料化について検討が行われる予定で有料化に向けた流れが加速する気配を見せています。 有料化がどのくらいになるのかについてはまだ検討は始められていませんが、東京都で先行して導入されている多摩地域だと八王子市では、40リットルのゴミ袋が10枚入りで750円、武蔵野市では800円、調布市では45リットルのゴミ袋10枚で840円などとなっています。 最終処分場を長く使うために将来的に有料化は避けて通ることは難しいとみられていますが、物価高騰のなか、都民生活にさらなる負担をしいることになるとの意見も出ており、慎重に検討が進められています。
大塚隆広
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