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左対左は投手が有利?ワンポイントリリーフの有効性についてプロ野球データで検証

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Baseball Geeks

メジャーリーグでは、今シーズンより「three-batter-minimum rule」の実施が決定している。「投手は最低でも打者3人と対戦するか、イニング終了まで投げ続けなければならない」という新ルールで、来シーズンからは日本での導入も検討されている。このルール改正によって、いわゆるワンポイントリリーフとして起用されてきた投手への影響が懸念されている。 プロ野球で、試合終盤に左の強打者に対しワンポイントリリーフとして左投手を登板させる光景を見たことがある方も多いだろう。この戦術は、「左打者対左投手」の対戦では投手が有利という考え方が基となっている。 今回は、このように「投打左右の組み合わせが選手の打撃成績に影響を与えるのか」について、昨シーズンのプロ野球のデータを用いて検証していく。

投打左右の組み合わせによる打撃成績の比較

まず、投手の投球腕による左打者の打撃成績の違いに焦点を当てる(表)。右投手と対戦した場面と比較し左投手との対戦では空振り率が増え、本塁打率やOPSが下がる。このことから、「左打者対左投手」の場面では投手が有利という定説は正しいといえるだろう。 また、左打者は左右どちらの投手と対戦した場合でも打撃成績が平均以下であった。詳しくは後述するが、少なくとも長打を放つという面においては右打者に劣っていたというポイントはおさえておきたい。

続いて、投手の投球腕による右打者の打撃成績の違いをみてみる(表)。 右打者は、三振率や本塁打率・OPSのどの指標においても左右どちらの投手との対戦しても大きく変わらなかった。左打者に対しては有効であったが、右打者に対するワンポイント起用はあまり有効ではないことが明らかとなった。

左打者に対するワンポイントリリーフ

最後に、投打左右それぞれの組み合わせの三振率と本塁打率の関係を整理する(図)。 「左打者対左投手」の組み合わせだけが三振率・本塁打率のともに大きく投手有利となっており、左の強打者に対する左投手の起用は有効であるといえる。しかし、先述したように左打者の打撃成績は右打者に劣る傾向にある。また、選手の数をみても右打者よりも圧倒的に少なく左のかつ強打者となると非常に稀な存在であるといえる。 つまり、試合終盤の緊迫した場面で「左」の「強打者」を迎えることはかなり珍しく、この局面に「だけ」登板するリリーフ投手の重要性については今一度考え直す必要があるかもしれない。

左投手に強い左打者は貴重な存在!

今回は、投打左右の組み合わせにおける打撃成績の変化について検証してきた。多くの左打者が左投手を苦手としている傾向がみられたが、ワンポイントリリーフについては必ずしも有効とは限らないことがわかった。一方、打者目線では左投手を苦としない左打者はかなり貴重な存在といえるかもしれない。

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