イスラエル紙「停戦合意によりヒズボラは敗北したが、イスラエルも勝利していない」
イスラエルと、隣国レバノンのシーア派組織ヒズボラの戦闘をめぐり、米国とフランスの仲介を受けて停戦合意が発効した。激しい戦闘が続いていたレバノン南部では、避難していた住民が自宅に戻る動きが広がりつつある。 「ガザ地区も我々の土地だ」─入植運動をイスラエル政府は支援している
広がった戦火による犠牲は
イスラエルは9月中旬からヒズボラの攻撃に対する対応を強化し、10月1日に地上侵攻を始めた。両政府によると、この戦争により、レバノン人は約3800人、イスラエル人は約100人死亡している。 また、レバノンでは同国の人口の約4分の1にあたる100万人以上が家を追われ、イスラエルでも約6万人が避難を余儀なくされた。
狙いは「なるべく長い停戦」
米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、イスラエルとヒズボラは60日間の停戦を守ることを求められている。 この期間中に、イスラエルは南レバノンから軍を撤退させ、ヒズボラはイスラエル国境から北へ引く予定だ。これにより、イスラエル国境沿いであるレバノン南部には「イスラエルとヒズボラの間に緩衝地帯が形成されることになる」という。
脆弱な取り決め
停戦合意が発効した背景には、ガザでの戦闘が続いているいま、「イスラエルもヒズボラも戦争に疲弊していたことを挙げられる」とニューヨーク・タイムズは報じている。 ところが、この合意は脆弱なものであるようだ。米「CBS」によれば、イスラエルは木曜日にさっそくレバノンへ空爆をおこなった。イスラエルは「レバノン南部のロケット貯蔵施設で、停戦協定に違反する行為をした過激派グループを標的にした」と弁明している。 一方でレバノンの国営メディアは、負傷した二名を民間人だと報じた。
COURRiER Japon