オリックス・石川亮はなぜ「第3捕手」を目指すのか 来季12年目「貪欲に出場機会を狙う」
オリックス・石川亮捕手(29)は、11月に行われた契約更改交渉で「第3捕手」を目指す思いを明かした。なぜ、1軍3人目の捕手というポジションを狙うのか-。その真意に迫る。 ◇ ◇ 試合に出るために、石川は第3捕手として生きる道を考えた。「143試合ある中で、3人目のキャッチャーが必要になる時は絶対にあるので」。同い年の森、若月の後ろにどっしりと構える立ち位置を狙っている。その真意をこう明かした。 「友哉(森)を超えよう、若月を超えようとは正直あまり考えていない。ワカでも友哉でも流れが変わらない時、『今日は亮でいこう』と言ってもらえる位置にもう一回上がる意識です」 昨今のプロ野球では、多くのチームで「捕手併用制」が採用されるようになってきた。オリックスも森、若月が投手との相性などで併用されるケースが多い。 今季開幕1軍とはならなかったが、石川は主にチームの3番手捕手としてベンチ入りした。ただ、出場は13試合。決して喜べる数字ではない。「チャンスをいただきながら、自分の結果を出すことができなかったので」と言い訳はない。 控えの難しさはある。先発起用されている選手に比べ、ベンチで待つ時間も多い立場で「運動量が減りますし、パフォーマンス能力も落ちてくる」と苦労が尽きないという。そのために今オフは、「1年間パフォーマンス能力を落とさないように」と準備に徹する。 現在は、下半身に負荷をかける筋力トレーニングを実践。「より強い出力が出せるようにやる必要がある。フィジカルの強さ、体の強さにもつながってくるので」と体幹強化、パワーアップを図っている。 来季12年目。30歳の節目を迎える1年が、野球人生の今後を左右すると理解する。「もう一度、貪欲に出場機会を狙いたい。自分が長く現役生活を送るためには、しっかり残さなければいけない結果があるので」。森、若月でもチームの流れが変わらない時に、戦闘態勢を整えた石川がいる。岸田新体制で欠かせないピースとなるために、入念に準備を進めていく。(デイリースポーツ・関谷文哉)