【CBC賞・ラップ回顧】日本レコードでも「物足りない」 今村聖奈テイエムスパーダが残した〝一抹の不安〟
[GⅢCBC賞=2022年7月3日(日曜)3歳上、小倉・芝1200メートル] 明石 前人未到というか前馬未到というか、どちらにせよついに芝6ハロン1分05秒台の領域に突入です。 上田 最近はよく「馬場高速化の波が…」なんて予想に書いてたけどな。まさかこんなに早く1分06秒台の壁を超えるとは思わなかったよ。 明石 距離はちょうど半分ですが、2018年ジャパンCでアーモンドアイが12ハロン2分20秒6を叩き出した時に近いインパクトがありました。 上田 前半3ハロンが31秒8だろ? いくらハンデ48キロでも普通は直線で脚があがるよ。鞍上の今村聖奈に注目が集まってるみたいだけど、テイエムスパーダの粘りももっとクローズアップされるべきだぞ。ただ…。 明石 ただ…何ですか? もしかして、また厳しいことを言おうなんて思ってるんじゃないでしょうね。 上田 2ハロン目から3ハロン連続で10秒台ってのは前の年と一緒。合計31秒3は昨年の31秒6とコンマ3秒しか違わないんだよな。 明石 それでいてラスト2ハロンで11秒1→12秒0と大きく数字を落としたのは若干物足りない、と。 上田 そう。昨年が11秒1→11秒7だから、道中の貯金を最後の1ハロンできっちり使い果たしてるわけだ。 明石 当時のファストフォースがハンデ52キロ。テイエムスパーダの48キロは牡馬の50キロに相当するということは…。 上田 2キロのアドバンテージがあったと考えれば、勝ち時計で0秒2上回ったのも納得できるだろ? 明石 ちなみに、ファストフォースはその後のGⅠ2戦で15着(スプリンターズS)、9着(高松宮記念)に終わっています。 上田 1分05秒8はびっくりするような時計だし、3馬身半も突き放した勝ちっぷりもお見事。ただ、冷静に机上で分析するとレベル的には昨年と同じぐらいなんだよな。 明石 現状ではGⅠで勝ち負けするようなトップスプリンターとは少し開きがある。そう言いたかったわけですか。 上田 あくまで数字だけを見ればそういうことになるよな。まぁ、まだまだ伸びシロのある3歳。ピクシーナイトみたいに〝化ける〟可能性ももちろんあるわけだけど。
東スポ競馬編集部