別府市内3ヵ所にリモートライブラリー 新図書館整備へ実証事業
別府市は13日、新図書館整備に向け、図書館機能をさまざまな場所に分散させるリモートライブラリーの実証事業を始めた。市役所やデパートなど市内3カ所に書架を置き、市民が本に出合う機会を増やす。全国でも珍しい取り組みで、コロナ禍での新たなライフスタイルにも対応できる図書館の在り方を探る。2月19日まで。 市役所1階、JR別府駅の外国人向け観光案内所「ワンダーコンパスベップ」内、トキハ別府店地下1階のフードコート内の3カ所で、それぞれに絵本やビジネス書など約40冊が並ぶ書架とデスク4台を設置した。読書だけでなく、仕事や学習、くつろぎの場としても活用してもらう。 市役所のライブラリーを利用した大分市の男性(40)は「公共スペースで本を手に取れる場所が別府には少ない。隙間時間を有効に使える」と話した。
同市は昨年3月に新図書館等整備基本計画を策定。新図書館の在り方を市民と考える同11月の「オープン・プラットフォーム会議」では「図書館の用途を分散、増殖させてはどうか」といった意見が出ていた。 今回の実証事業では各所に人工知能(AI)解析ができるカメラを設置し、利用率や利用者の属性、滞在時間を分析して市民ニーズなどを検証する。 基本計画によると2018年度の市民の市立図書館登録率は21%で、全国平均を大きく下回る。市社会教育課の森本悦子参事は「これまで図書館を利用していない市民が本に出合う場を増やしたい。不易流行の言葉があるように、図書館の本質部分に加え、新たな可能性を探りたい」と話している。 <メモ> 専用のサイト(https://booking.kyushuisland-work.com/kiw/#/)からWi―Fi(ワイファイ)につながるデスクの予約もできる。図書の貸し出しは不可。利用は無料。