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米格付け会社、北朝鮮経済成長-6%と予測

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Japan In-depth

【まとめ】

・北朝鮮、外貨収入や国債発行も不振で経済破綻危機。 ・元山(ウォンサン)で闇ビジネスと盗みが多発。 ・金正恩、経済不振で視察意欲を失くしたか。

北朝鮮の経済はいま、核・ミサイル開発に伴う国際社会の制裁と新型コロナウイルスの影響が重なり、危機的状況となっている。国際主要格付け会社フィッチ傘下の「フィッチ・ソリューションズ」は、最近発表した報告書で、北朝鮮経済が今年マイナス6%成長になると予想した。この数値は、「苦難の行軍」と呼ばれた最悪の時期である1990年中盤のマイナス6.5%以来23年ぶりの数値である。 ■ 「国家経済発展5カ年戦略」が挫折 今年は、2016年の朝鮮労働党第7回大会で打ち出した「国家経済発展5カ年戦略」の最終年であるにもかかわらず、ほとんどの経済指標が達成されていない。特に基幹産業と農業・畜産部門の不振は深刻だ。 まず基幹産業部門だが、工場稼働率が大幅に落ち込んでいる。このことは、北朝鮮内部消息筋からも伝えられているが、金才龍総理や朴奉珠党政治局常務委員らが、5月に視察した場所に工場視察が1件もなかったことから見ても明らかだ。 また新型コロナウイルスの影響で農民の農場出勤率が目に見えて低下し、そこに肥料不足が重なって、今年の食糧生産は2000年代に入って最低を記録すると見られている。食糧不足の深刻さは、軍将校の配給が3分の1に減らされたことでも示された。また豚コレラの再拡散や鳥インフルエンザの蔓延で畜産部門も打撃を受け食肉事情も深刻だ。 こうしたことから、労働新聞は5月27日、「正面突破戦は人民に対する滅私奉仕戦である」と主張する論説を掲載し、「朝鮮労働党が、再び困難かつ長期にわたる闘争を決心して正面突破戦を宣布したのは、平凡な日々にも試練の時期にもひとえに党だけを固く信頼して絶対的に支持してきた偉大な朝鮮人民を豊かに暮らさせるためである」と主張し苦しさを隠さなかった。 ■ 外貨獲得の柱である輸出が激減 5月25日に中国税関当局が発表した貿易速報値によると、北朝鮮の4月の対中国貿易は、中国経済の不振も重なって、2019年4月比で約90%減となり、外貨獲得のための対中輸出は壊滅的打撃を受けた。 対中輸出の1位は電力で126万8935ドル(電力不足にも関わらず外貨獲得のために水豊発電所などの電力を中国に売っている)、2位は、機械(昨年来、北朝鮮が注力している委託加工の時計部品?)で57万3291ドル、3位は、マネキンのかつらで17万1565ドル、4位は玩具で11万2149ドル、5位は鉄地金・普通鋼地金で7万8673ドル、その他1387ドルで計220万6000ドルに過ぎなかった。 一方、輸入品は1位が大豆油で616万3796ドル、2位はタバコの葉で158万4135ドル、3位は小麦粉で157万5015ドル、4位は砂糖の135万3687ドル、5位は名前未表示の薬品で104万7303ドルだった。 北朝鮮は、貿易額の95%を中国に依存していることから、貿易による外貨収入はほぼ途絶えたと言っても過言ではない。そうしたことから北朝鮮当局は、住民の外貨使用まで禁止している。

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