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「告知」から「現実」を受け入れるのに、どのくらいかかる? “がんとの日常”のために知っておきたいこと

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OurAge

「私ががん?」―その瞬間、あなたの見る景色は一変してしまうかもしれない。しかし現実は待ったなし。大切な命を守るには、まずは自身の心と向き合うこと。そして慌てずに最善の治療を選ぶこと。そのために知っておきたいことをまとめた。

平常心を失うからこそ備えておきたい心の対応とがんの知識

2人に1人ががんになる時代。そうわかっていても、がんにまつわる負のイメージから、自分は関係ないと、つい備えから目をそむけがち。しかしある日、がんが自分や家族にとって現実のものになると、知識がない中で気が動転し、絶望感に包まれる人は少なくない。 「実際にがんの告知を受けると、2~4割の方がうつや適応障害になるといわれています」と、がん患者の心を診る精神腫瘍科医の清水研先生。 それほどがんの告知は心への衝撃が大きいもの。その動揺の中で、少しでもいい方向へ、多くの決断をしなければならない。だからこそ、“その前”に備えることが大切だ。 「がんは、平和な日常を失う恐怖、悲しみ、なぜ私が…という怒りなど、死を中心にさまざまな負の感情を引き起こします。告知から現実を受け入れるまでにおよそ2週間かかるという研究データもありますが、実際には個人差があり、3日で割りきれる人もいれば、数カ月かかる人も。 その早い遅いにかかわらず、がんと告知されてからの心の課題はふたつあります。ひとつは、すっかり様変わりした(ように見える)日常の喪失感と向き合い、しっかり悲しみ、怒ることです。心を許せる人に自分の気持ちを聞いてもらい、感情を吐き出すことも大切です」(清水先生) 感情にふたをして平気を装ってしまうと、心のつらさから抜け出せないケースも多いという。 「ふたつめは、人生に加わった“がんとの日常”をどう生きるか、という取り組みです。まず行わないとならないのは、がんを正しく知り、治療に進むこと。知識を得ることで、得体の知れない恐怖の対象だったがんの正体が見えてくると、少しずつ心も回復していきます」(清水先生) がんに対する誤解や思い込みは多くの人に根強くあるが、 「この20年でがん治療は飛躍的に進歩し、“がん=死や壮絶な治療”というのはもう過去の話。日常生活をすべて奪われることはありませんし、がんが治る人、共存しながら日常生活を送る人も増えています」と腫瘍内科医の勝俣範之先生。 ただ、がんが命にかかわる病気であることには変わりなく、“正しく怖がること“も大切だ。そして最も重要なのは、自分にとって最良のがん医療を選び取ること。そのために最低限知っておきたいのは、がん治療の第一選択肢は世界的にも認められた「標準治療」=手術、薬物療法(抗がん剤・ホルモン剤など)、放射線治療であること。病院選びに迷ったら、がんの専門医がいる「がん診療連携拠点病院」があること。病院のサイトなどで、自分のがんの種類の専門医がいるかを確認することも必要だ。治療の流れ(次回参照)の概略も知っておこう。 また、わからないことや困ったことは、自分や家族だけで抱え込まないのも大切。医療に関する各種情報や相談の窓口があるので、積極的に活用するといいだろう。がん治療は長期戦。多くの人を味方につけて、後悔がない治療を選択できるよう、今から“知る”ことが必要なのだ。 今回の話を伺った先生 勝俣範之さん 日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科部長。がん患者と向き合いながら正しいがん情報を配信。『医療否定本の嘘』(扶桑社)など著書も多数 清水 研さん 国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科長。がん患者や家族の心に寄り添う。『もしも一年後、この世にいないとしたら。』(文響社)が話題に

ネットのがん情報にはデマが多く、進むべき治療を阻んでしまうことも…

インターネットでがん情報を検索すると、「○○でがんが消えた」などの根拠のない情報が飛び交っている。「がん治療」「がん 治る」で検索した研究調査では、信用度が高い情報はわずか10%という結果に! イラスト/緒方 環 取材・原文/山崎多賀子

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