人に言いづらい心身の不調や悩みを抱える若者のセルフケアをサポート サントリーが新プロジェクト始動
そうした中、SBFジャパン商品開発部との情報交換を経て自ら手を挙げプロジェクトを推進した。 「同僚からも“パートナーをがっかりさせたくない”との声や“周りの友人が悩んでいるからぜひ開発してほしい”といった声が思っていた以上に多く、このプロジェクトを通じてそうした方々の助けになりたい」と土屋さんは力を込める。 商品開発部内にも新しい種を自ら探索する仕組みがあり、サントリーグループには多種多様のアイデア創出のための制度が存在するという。 商品開発部で成分設計を担当する烏谷幸枝さんは「普段から展示会や海外から情報を収集しており、アメリカではセルフケア的な商品が若者の間で凄く流行っているという情報を得た。これをブランドマーケティング部に共有したところ“やりたいです”という反応で一緒になれた」と振り返る。 プロジェクトを進めていく中で新たな気づきも得られる。 女性特有の不調について相談されることが多いという佐藤さんは「プロジェクトを進めていく中で、私自身も過去の不調がもしかしたら女性特有の悩みではないかと気づくことがあり、もう少し早く知っていればよかった」と語る。
施策の1つとしては、10~30代の若者864人を対象に行った「心身の健康に関するアンケート調査」結果から明らかになった若者のリアルな不調や悩みの声を「若者ぶっちゃけ健康白書」と称するサイトで公開している。 8月30日から9月1日にかけては、セルフケアを始めるきっかけづくりを目的としたカフェをオープンする。 ここでは、メニューから料理を選ぶのではなく、自身の不調や悩みに合わせ、それらの緩和に役立つとされる栄養成分を摂取できる食材を使ったオリジナルオープンサンドが提供される。 同社オフィス内の社員食堂でも、プレゼンティーズムの改善の一助を目的に、同様のオリジナルオープンサンドを提供する。 プレゼンティーズムとは、欠勤には至っておらず、勤務しているが、心身の健康問題が理由で生産性が低下している状態のことを意味する。