「帰省こそ最大のチャンス」後悔したくないなら今すぐ始めたい「親への小さな恩返し」喜ばれる10のこと【専門家に聞く】
■肩や脚などを揉む 幼かったころ、痛いところを親にさすってもらった経験はありませんか?「手当て」はもっとも古い治療法です。心を許した相手とのスキンシップは、脳内に幸せのホルモンと呼ばれるオキシトシンやセロトニンが分泌され、体や心を癒やす効果があります。また、同じように幼いころ、親に肩たたきをしてあげていませんでしたか?その親孝行は、大人になった今でもできます。肩、腰、脚…疲れている筋肉をやさしく揉めば、親は昔を懐かしんで満たされた心持ちになるはずです。
■一緒に墓参りに行く ご先祖をお迎えするお盆やお彼岸は、離れて暮らす子に帰省してほしいと、多くの親は考えています。お墓参りは家族が思いを一つにする大切な行事です。仕事や家庭の事情でお盆やお彼岸に帰省できない人も、年に一度は親と一緒にお墓参りに行く機会をつくってほしいと思います。
■親に「甘える」「頼む」「教えてもらう」 帰省の際は、親に役割を与えてください。簡単なことです、甘えればいいのです。そして「ありがとう」「助かった」と、必ず感謝の言葉を口に出してください。「すごくいい出来だね」「またお願いするよ」と、評価も伝えてください。人間は努力が認められると、脳内で快楽物質のドーパミンが分泌され、達成感や満足感とともにやる気が出てきます。わが子からのホメ言葉は、親にとっては長寿のおまじないにも等しいのです。
PROFILE 田中克典さん たなか・かつのり。1962年、埼玉県生まれ。日本福祉教育専門学校卒業後、福祉系の出版社を経て、東京都清瀬療護園(重度身体障害者入所施設)などで介護経験を積む。1984年にはインド・コルカタの故マザー・テレサ女史の運営する施設で介護経験し、テレサ氏とも懇談する。2000年、介護保険制度の発足と同時にケアマネジャーの実務に就き、これまでに約500人の高齢者を担当した。現在は株式会社スタートラインで現役ケアマネジャーを務めている。主な資格は主任介護支援専門員、産業ケアマネ3級。著書に『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社)など。
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ちゃんと 編集部