「帰省こそ最大のチャンス」後悔したくないなら今すぐ始めたい「親への小さな恩返し」喜ばれる10のこと【専門家に聞く】
■親の手が届かない場所の掃除をする 高齢になればなるほど、手の届かない場所は増えてきます。私が仕事で訪問する高齢者のお宅でも、掃除が行き届かなくなって汚れ放題になっている場所を目にすることがしばしばあります。ベッドの下、照明器具の傘の上、エアコンのフィルター、換気扇、キッチンや風呂場の排水溝、ガスレンジの下や裏側、神棚、タンスの上、ベランダ、網戸…。帰省したとき、もしも汚れている場所があったら掃除してあげてください。
■トイレをすみずみまで掃除する 「実家のトイレが汚くなったなと思ったときに、母の老いを感じました」と話していた50代の女性がいます。「ご不浄」という言い方もあるように、トイレは家の中でいちばん汚れやすい場所。常に清潔に保っておきたいですが、高齢になると「腰をかがめるのがツラい」「汚れが見えにくい」といった理由で、掃除が雑になりがちです。トイレの汚れは、親の老いを知るバロメーターといってもいいでしょう。
■庭の草むしりをする 高齢の親にとって庭の清掃は重労働。管理ができなくなり、雑草が生え放題になっている庭を、私も訪問先で見かけることがあります。荒れた庭は、泥棒や詐欺師に「ここは高齢者の住居です」と教えるサインにもなりかねません。もしも実家に庭があるなら、子の出番です。
■ふとんを干して取り込む 重いものを動かしたり、大きなものを運んだりする作業は無条件に喜ばれます。帰省したときに天気が良ければ、ぜひ親が寝ているふとんを干してあげてください。足腰が弱り、筋力が低下した高齢者に、力を必要とする作業は困難。ふとんを抱えてベランダを歩くのは、バランスを崩して転倒するリスクを免れません。親には「ひとりでやらないで」と話し、帰省した際にやると決めておいてもいいくらいです。
■手足の爪を切ってあげる 年をとると、身だしなみに気を遣わなくなりがち。特に足の爪は普段目に入らないので、切らないまま伸びている高齢者は少なくありません。そのままにしておくと、巻き爪になったり、隣接する指の皮膚を傷つけたり、つまずいた拍子に剥がれたり、といったトラブルを招きます。お風呂あがりなどに、「お母さん、ちょっと爪を見せて」と、状態を点検してあげてください。伸びていたら、切ってあげましょう。