「帰省こそ最大のチャンス」後悔したくないなら今すぐ始めたい「親への小さな恩返し」喜ばれる10のこと【専門家に聞く】
「福祉と介護の現場に長く身を置いてきて、子が親に対して述べる『後悔』の声をこれまでにたくさん耳にしてきた」と語るのは、ケアマネジャー歴20年の田中克典さん。そんな田中さんが勧める「親への小さな恩返し」とは?詳しくお話を伺いました。 【写真】今年の帰省時に即実行!親が亡き後、後悔しないための10の「小さな恩返し」
■「もっとこうすれば」親亡きあとに後悔する子は多い 親が亡くなったとき、「もっとこうしてあげればよかった」と振り返る人は大勢います。そして、後悔の念は葬儀・告別式、初七日、四十九日と、日を追うごとに押し寄せてくると話す人が少なくありません。私自身も3年前に父親を亡くしましたが、「もっとできることがあったかもしれない」と自分の不徳を感じたことがたびたびありました。
そういう体験があると、親への恩返しには二つの留意点があることに気づきます。 一つ目は「理想よりも現実」。ハワイ旅行のような大きなプレゼントよりも、背伸びをしない等身大の行為…言い換えれば「小さな心遣い」を積み重ねることが、結果的には親の幸せな晩年につながるのではないかという気がします。 二つ目は「タイミング」。親の老いは確実に進行します。病気やケガなどによって、それまでできていたことが突然できなくなってしまうケースは枚挙にいとまがありません。「思い立ったが吉日」という言葉があるように、親への恩返しは思いついたらできるだけ早く実行することが望ましいと私は考えています。
親への恩返しは、何かを一度やって終わりではありません。関わりながら親の老いていく状態を把握し、受け止めることも子の側には必要な心構えです。いま、自分の親が元気に暮らしているのであれば、「いつか」ではなく、まさに「いま」が恩返しのタイミングといってもいいでしょう。
■帰省こそ最大の恩返しのチャンス 親と離れて暮らしているみなさんは、どれくらいの頻度でコミュニケーションを取っていますか?子の音沙汰を気にしない親はいません。週に一度は電話をするなど、定期的な連絡は、信頼できる親子関係を保つ基本だと私は思います。