函館市水産物地方卸売市場スルメイカ11月119トン 7年ぶり100トン超え
函館市農林水産部がまとめた市水産物地方卸売市場での11月の生鮮スルメイカ取扱量は、前年同期比43トン増の119トンとなった。11月単月で100トンを超えたのは2017年以来で、7年ぶりの豊漁に市場は沸いた。既にヤリイカが店頭に並んでおり、今季のスルメイカ漁は終幕に差し掛かっている。
同部によると、119トンの内訳は上旬69トン、中旬46トン、下旬4トン。1日あたりの最多は1日の16トンで、1~15日で111トンと全体の9割超に達した。出漁日数は昨年より2日少ない19日。一方、1キロあたりの平均単価は同216円安い1045円だったものの、2年連続で1000円の大台を突破した。取扱金額は同2756万円増の1億2390万円で、22年9月以来の1億円超え。
6~11月の漁期トータルでみると、取扱量は351トンで、漁期ごとの統計を取り始めた05年以降で最低だった昨季実績の317トンを上回り回復基調となった。 同部は「月単位でみると、7年ぶりに100トンを突破し、喜ばしい。一時的な豊漁とはいえ、市場が活気づいた。店頭価格も低下し市民には買いやすくなった」と振り返る。 函館市中島廉売内の紺地鮮魚の紺地慶一社長(62)は「11月は2週間程度豊漁が続いたが、その後はしけの影響もあって失速。スルメイカは噴火湾の定置網で水揚げしたもので、函館近海の釣りイカはない。豊漁時期を除けば、例年以上に厳しい年だった」と話す。 道総研函館水試の木村俊介研究職員は「例年に比べ冬生まれ群の函館沖への来遊が遅く、11月中旬まで水揚げのピークになったと考えられる」とした上で「12月~来年1月は、産卵のためイカが日本海を南下するため、函館近海での漁獲は徐々に減っていくだろう。今季もイカの資源量が少ないため、一時的な豊漁はあっても、全体で見ると少ない状況に変わりはない」としている。
函館新聞デジタル