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若手教員を教授に抜擢、山口大が新制度

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 山口大学は優れた若手教員を、年功序列によらず教授に引き上げる新制度を始めた。同大の重点研究グループの代表者から、昇任の候補者を学長が抜てきする。学部の教授会の審査で適切だと認められれば、准教授と教授の人件費差額の年200万円程度を、大学本部が負担する。若手を刺激し健全な形で競わせながら、大学の研究力や外部資金獲得を高める独自策として注目されそうだ。 なぜ山口大学は全国に貢献する教育機関になれたのか  2020年度に適用を始めた山口大の「戦略的教授昇任制度」は、学長のリーダーシップで本部が人件費の差額を負担することで、教授ポストを一時的に増やす仕組みだ。対象は同大の研究拠点形成事業など大型研究の代表者だ。「若手先進教授」として、候補者の昇進が前倒しされる形になる。  同大の年間給与平均は教授が970万円、准教授が790万円と公表されている。新制度による本部の差額負担は5年程度とする。初回は今春、全学3人で適用した。  国立大学の各学部などの教授会で、退職する教授の後任を検討する場合は、選考基準を満たした複数人のうち年齢の高い教員が優先されるのが伝統だ。運営費交付金が厳しい中、若手は優秀でも昇任の機会が乏しい状況にある。  新制度では審査の主体が教授会にありながら、追加の人件費は本部負担で教授ポストが増えるため、各学部とも受け入れやすいとみられる。文部科学省は国立大の人事給与マネジメント改革を推進しており、今回の取り組みは他大学にも参考になりそうだ。  【記者の目】  やる気には「自分をきちんと見てくれている」という思いと、評価を具体化した収入メリットの双方が影響するものだ。今回の新制度で例えば、教授に昇進するのが5年、早まったとすれば、それは1000万円の奨励金を受け取ったことに相当する。これならやる気が出るし、大学に対する忠誠心も高まることだろう。何の手立ても講じない大学はこれから、「あんな優秀な先生を他大学に引き抜かれたなんて、学長は何をしているんだろうね」と、非難されるようになのるかもしれない。

日刊工業新聞・山本佳世子

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