二十四節気「小暑」 人に話したくなる七夕の意味とは?
「小暑(しょうしょ)」は夏が本格化する時季です。例年では、梅雨明けと重なることが多く、日に日に、暑さが厳しくなっていく時季です。小暑と大暑の期間をあわせて「暑中」といいます。相手の健康を気遣って、暑中見舞いを送る時季でもありますね。 まとわりつく暑気にうんざりしがちですが、夏ならではの楽しみもあるのではないでしょうか。
7月7日はどうして「七夕(たなばた)」なの?
「七夕」は古代、中国から伝わった伝説や「乞巧奠(きっこうでん、きこうでん)」という行事に、もともと日本にあった風習が結びついて誕生したといわれます。形を変えながら、今に受け継がれてきました。 まず古代中国の伝説から見てみましょう。 漢名では、わし座のアルタイルを牽牛星(けんぎゅうせい)、こと座のベガを織女星(しょくじょせい)といいます。牽牛星は牛飼いで、織女星は天帝の娘で、機織(はたお)りの名手だとされました。 彼らはめでたく結婚したものの、互いに夢中になりすぎて、仕事を怠けるようになってしまいます。怒った天帝は二人を引き離しますが、嘆き悲しむ二人を憐(あわ)れみ、年に一度、7月7日だけ、天の川(あまのがわ)を渡って会うことを許しました。 ちなみに、「七夕」は本来、旧暦7月7日の行事ですから、立秋のころです。そのため歳時記では秋の季語になっています。 七夕といえば、星に願い事をする風習もありますが、これは中国の「乞巧奠」という行事に由来します。乞巧奠は7月7日に星をまつり、裁縫や手芸の上達を祈願する行事です。 江戸時代になると、短冊に願い事を書いて、笹につるすようになりました。 一方、古代日本では、若い女性が、お盆に先立って機織り小屋にこもり、神に捧げる衣を織ったそうです。この女性を「棚機津女(たなばたつめ)」と呼びました。 七夕の語源はこの棚機津女からきたといわれます。 また、日本では、牽牛星は彦星(ひこぼし)、織女星は織姫星(おりひめぼし)と呼ばれてきました。(「織姫星」は「織姫」と略すこともあります」) 七夕には、そうめんを食べる習わしもあります。 短冊に願いをしたため、夜空を見上げ、星の恋物語に思いを馳せ、そうめんをいただく。これはなんとも平和な一日といえるかもしれません。