消防団の防災力向上へ期待、大阪最大級訓練施設の運用始まる
大阪府高槻市消防本部が約3年をかけて市内の公園の一角で建設を進めてきた府内最大規模となる消防団専用の訓練施設が1日、運用を開始した。放水訓練やポンプ操法訓練などを通じて対応力を高め、大規模災害などが発生した際の効果的な活動につながることが期待されている。 運用を開始したのは「高槻市消防団拠点施設 消防訓練センター」。中消防署富田分署に併設される形で設けられ、鉄筋コンクリート造り3階建て。建物の延べ床面積は約1760平方メートルで、消防団の活動拠点となる研修室や情報収集設備室などを備える。 高槻市では667人(9月1日現在)の消防団員が所属。普段は別の仕事に就きながら、地元で火災や大規模災害が起きた際にはいち早く出動し、消火や救助活動に当たる。 同市消防本部によると、消防団の訓練は分団ごとに行っていたが、「消防団員用の訓練施設が必要」「消防団の活動拠点がほしい」といった消防団員からの要望を踏まえ、約3年をかけて整備を進めた。 新たな施設ではポンプ操法訓練や水防訓練、規律訓練などのほか、建物を火災現場に見立てた放水訓練も実施できる。 平成30年6月に大阪北部地震が発生した際、消防団は被災地に駆けつけ、放水作業を行うなどの形で消防隊の活動をサポートしてきた。市消防本部は「大規模災害が発生した際にはたくさんの人員が必要になり、消防団のサポートは必要不可欠。消防団の実力をつけることで地域防災力が強まる」と施設整備の意義を説明している。