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米国随一のLGBT天国にも人種差別が…ジョージア州アトランタ

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The Guardian

【記者:Arwa Mahdawi】 「ステイシー!ステイシー!」と沸き起こった大きな歓声。白いジープの上に立ち、虹色の旗を振りながら登場したのは、アフリカ系黒人女性として主要政党初の州知事候補に指名された、ステイシー・エイブラムス(Stacey Abrams)氏だった。米南東部ジョージア州アトランタで10月14日に行われた最大規模の性的少数者(LGBTQ)のパレード、「アトランティック・プライド(Atlantic Pride)」での光景だ。  パレードの参加者らは、11月初旬に迫った米中間選挙での民主党候補エイブラムス氏の勝利に向けて、熱狂的な支持を示した。同氏は当選すれば、黒人女性として全米初の州知事となる。  アトランタは米国でゲイ人口が多い都市の一つ。そして、おそらく政治への参加度が最も高い都市の一つだろう。 「ここは南部だから」と、話を切り出したのは、同市の住民でウェブデザイン・コンサルタントのリゲル・ケーブルさん。「それ故に、私たちはこの街(アトランタ)の進歩的な性格を絶対に守る必要がある。ジョージア州の議員の多くは保守派だから、私たちは市政のレベルで今手にしている進歩を守るために常に闘っている」  LGBTQの権利という点で、アトランタの進歩性には目を見張るものがある。市や町が法律や政策、サービスでLGBTQをどれだけ受け入れているかについて、性的少数者のロビー団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」がまとめた地方自治体平等指数(Municipal Equality Index)の2018年版で、アトランタは最高の100点を獲得した。対照的にジョージア州の他の都市では、アセンズ(Athens)が28点、ロズウェル(Roswell)はわずか5点だった。  マーガレット・マンフォードさん(33)は首都ワシントンやポートランド(Portland)などで暮らした後、2016年にアトランタに移ってきた。アトランタのリベラルな価値観と活気に満ちたゲイ社会は、「嬉しい驚き」だったと語る。マンフォードさんによれば、アトランタは「(カリフォルニア州)サンフランシスコにさえもう一軒も残っていないレズビアンバーがまだある」数少ない街の一つなのだ。  レスビアンバーは、デートアプリの普及やジェントリフィケーション(再開発による地区の高級化)などの影響で絶滅寸前となっているものの一つだ。LGBTのための旅行誌「ダムロン(Damron)」によると、2017年時点で掲載されていた世界のLGBTQのバー、1357軒のうちレズビアンバーはわずか36軒。2014年の56軒から大きく減った。だがアトランタでは1軒のレズビアンバー「マイ・シスターズ・ルーム(My Sister’s Room)」がなんとか22年間、店を守り続けている。  だが、そんなアトランタでも、状況は完璧というにはほど遠い。学生で活動家で「ユーチューバー」でもある、イブ・フィッシャー(Iv Fischer)さんは、アトランタのゲイ社会は人種で明確に分けられていると語る。「アトランタの黒人クラブと白人クラブの間は大きく分断されている」とフィッシャーさん。「アトランタに来る大きなイベントの多くは、白人クラブだけを対象としている」。黒人のトランスジェンダー(性別越境者)女性として、フィッシャーさんはそうしたイベントのいくつかでは、自分が歓迎されていない感じがするという。

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