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ヘッドの重心は“低ければ低い”ほどいい? パターの打点と重心の関係を考えた

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みんなのゴルフダイジェスト

ヘッドの重心というと、低ければ低いほどいいような印象があるが、どうやら一概にそうも言い切れないようだ。ギアライター・高梨祥明がパターの重心点について考察した。

ジャンボ尾崎のエースパター「マグレガーIMG5」は驚くほど高重心!

ヘッドの重心と聞くととても難しいことのように感じるが、実際は非常にアナログ的な方法で測られている。例えばよくある“低重心・高重心”というヤツは、鉛筆の先みたいな計測機器にフェースを下にしてバランスをとりながら苦労してヘッドを乗せる。そして手を離してもヘッドが落ちない釣り合いがとれた一点を“フェース面上の重心”とし、ソールから、あるいはクラウンからその高さを測って「重心高さ」としているわけだ。

この方法で“名器”と呼ばれているお馴染みのパター(マグレガー・トミーアーマーIMG5/ピンANSER85068/オデッセイWH2ボール)の重心高さを測ってみた。それが画像Aだが、フェースに貼られたマスキングテープに記された小さい点が、それぞれのパターヘッドのバランスポイント、“フェース面上の重心”を表している。 フェースは正面から見ると天地が並行で四角く見えるため、フェースの真ん中あたりにバランスポイントがありそうな気がするが、実際に調べてみると、ご覧の通り。L字でも、アンサータイプでも、マレットでもかなり重心が高いことがわかる。 とくにL字(トミーアーマーIMG5)はネックが長いこともあり、フェース内ギリギリの高さにバランスポイントがある。これではどんなにうまく打っても「芯」で打つことなどできないではないか! 難しい! そんなふうに感じるのではないだろうか。

インパクトの強弱でタッチを決めるなら、高重心のL字パターが逆にやさしい!

では、次にボールを置いてパターヘッドをその後ろにセットしてみる。それが画像Bである。こうしてみるとボールのバランスポイント(赤道)はかなり地面から高い位置にある。そしてパターヘッドはやけにシャロー(薄っぺら)だ。こんなに薄いフェースでボールの「芯(赤道)」を打つことができるのだろうか? とかなり不安感を覚えてしまうはずだ。1センチくらいヘッドを浮かしてインパクトしないと、フェースセンターでボールの赤道を打てそうもないからだ。 しかし、改めてフェースに示した重心点を見ていただきたい。セットした段階でほぼボールの赤道と同じ高さにフェース面上の重心があることがお分かりいただけるだろう。これなら普通に地面に沿ってヘッドを動かすだけで、自然にパターの「重心」とボールの「赤道」、つまりパターとボールの芯と芯でインパクトできるような気がしてくるのではないだろうか。 マグレガーのトミーアーマーIMG5は、1965年くらいに作られたものである。今から55年も前に作られたL字パターは、ジャンボ尾崎のエースパターであったために「名器」と呼ばれ、いまだに一目を置かれている存在だ。しかし、名器、名器と言われながら実際は多くのゴルファーにとってIMG5は、“難しい昔のクラブ”の代表であり、自分が使うパターの選択候補にすらなっていない。それが現実だ。なんとなくミスヒットにシビアな印象を受けてしまうのだ。 しかし、“重心”に着目してボールを打つことを考えると、L字のような高重心パターの方がボールの赤道を芯の近い場所で打てるような気がしてくるのではないだろうか?つまりミスヒットになりにくい。L字はシャフトを中心とした軸周りの慣性モーメントも大きく、一度フェースが閉じる方向に動き出したら、多少芯で打てなくてもヘッドの向きが大きく変わってしまうことがない。つまり、ミスヒットにも寛容なパターであるといえるのだ。 現在のパターには、フェースのセンターに重心が来ているものもあるが、ヘッドの芯でボールの芯を打ち抜くことをイメージすると、そうした低重心パターほど難しそうな気がしてしまう。おそらくそれは、私がストロークではなくボールをショットと同じようにヒットしていくタイプのゴルファーだからだと思う。 低重心パターにももちろん良さがあり、適したパッティングスタイルが存在する。大切なのはどちらが自分のパッティングに合うのか?である。その観点では、幅広いゴルファーに愛され、空前の大ヒットとなったPINGアンサーやホワイトホット2ボールは、ヒットでもストロークでもいけるバランスタイプのパターであるといえる。重心設計も高からず、低からず。ちょうどいい塩梅なのではないかと思う。 写真/高梨祥明

高梨祥明

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