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実態は「ほぼボランティア」:公にされない新型コロナ「協力病院」の苦闘

配信

nippon.com

青木 直美

国の要請を受けてひそかに新型コロナウイルス感染者を受け入れている「感染症診療協力病院」と呼ばれる医療施設がある。風評被害を防ぐためという大義名分の下、名を明かされることなく、「陰の存在」として日夜、感染者の治療に当たっている。経済的支援が乏しく、少なからず倒産の淵に追いこまれている過酷な現状を、千葉県船橋市の医師会新興感染症対策理事の浅原新吾氏に聞いた。

国からの支援は1ベッドにつき1万6千円のみ

新型コロナの治療に当たる全国の医療機関には、大別して「感染症指定病院」(以下、指定病院)とそれをサポートする「感染症診療協力病院」(以下、協力病院)がある。指定病院には国からの公的資金や支援金が支給されるが、協力病院へのサポートは手薄。協力病院の実態は、「ボランティアに近い」と浅原新吾氏は語る。 ほとんどの協力病院は院内感染を防ぐため、一般病棟を閉鎖し、コロナ病床を作るなどして感染者の診療に当たっているにもかかわらず、国からの補償は感染者が使用した1病床につき、約1万6000円(1日)のベッド代のみ。 「協力病院の中には、感染予防の観点などから50床近いベッドを感染者用に確保しているところもあるが、使用していないベッドには一切補填(ほてん)がなく、集中治療室(ICU)を使用した場合に約8万円プラスされるだけ」と浅原氏は実情を明かす。 協力病院の負担はそれだけではない。スタッフに「新型コロナ感染リスク手当」を出し、4~5人の感染患者のために、夜間勤務の看護師の補充をしているところもある。すでに経営的にはどこもぎりぎりで、この状態が長引けば、多くの病院が倒産の危機に直面するという。 「毎日、ベッドが40床近く空き続けたら、ひと月当たり数千万円の赤字が発生する。国はそこに対する補償をまったく考えてくれていない。医師会には、このままでは『5月末が限界』『第2波には対応できない』という協力病院からの悲痛な声が届いている」

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