お酒で人生が壊れた女性、アルコール依存支援の集まりに参加して号泣のワケ<漫画>
どんな人にとっても、アルコール依存症は決して遠い世界の話ではありません。最上うみみさん作のコミックエッセイ『お酒で壊れた人が集まる場所で』には、アルコール依存症予備軍となった当時21歳の最上さん自身が、お酒の魔力と戦った壮絶な日々が綴られています。 【マンガ】『お酒で壊れた人が集まる場所で』より お酒を断つために入会した“自助グループ”。そこで出会った仲間たちとの交流や、根底に巣食っていた自身のトラウマを、作者自ら赤裸々に曝け出した本作。なぜ、人はアルコールに溺れてしまうのか。そこから抜け出すために必要なこととは――。本記事では1話を紹介。著書の最上うみみさんにお話を聞きました。
酔いつぶれるまで飲みまくる日々
――『お酒で壊れた人が集まる場所で』は、21歳頃の話だそうですが、成人してからどのような日々を送っていたのでしょうか? 最上うみみさん(以下、最上)「お酒を覚えたてだった20歳の頃は、誘われたら飲むくらいの感覚でした。それがお酒を飲めば気分が良い=嫌なことを考えなくてもいいってことに気が付いてから、どんどん酒量が増えていったんです。朝、仕事に行って辛い思いをして、帰宅したらすぐに飲み始めて、酔い潰れるまで飲む。そんな日々の繰り返しでした」 ――毎日の酒量はどれくらいでしたか? 最上「体質的にお酒自体が強い方ではないので、量はそんなに飲めないんですよ。でも、その分だけワインや日本酒など、アルコール度数の高いものを飲んでいました」
家賃が払えなくなって目が覚める
――その当時のお酒での大失敗エピソードはありますか? 最上「大きかったのは仕事を失ったことだと思います。お酒のせいで起きられなくて休んでってことが何度があって。ある日『もう来なくていい』とやんわり言われたことが本当にショックでしたが、その夜もまたお酒を飲んで『世の中腐ってる』なんて思ってました(笑)」 ――そんな生活を改善しようと思ったのは、飲み始めてからいつ頃のことだったのですか? 最上「たぶん、一年半から二年くらい経った頃ですね。急速にその状態になったので、けっこう早い段階で生活に支障をきたしてたんですよ。家賃が払えなくなってて、生活できない。親兄弟や頼る存在がいなかったので、その分だけ『これはよくない』と察するタイミングが早かったのだと思います」