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「人間やめるなら タヌキにならねーか?」疲弊する現実、癒やす漫画 コロナでギスギス…作者が込めた思い

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「人間やめるなら タヌキにならねーか?」――。生きることに疲れ切った女性を呼び止めて、「スカウト」したのは、なんと、一匹のタヌキだったという漫画がツイッターで話題になっています。女性へ、タヌキが伝えたかったメッセージに、「ジワッと響く」「私も狸になりたい」と共感が広がった漫画の作者に話を聞きました。(withnews編集部・松川希実) 【マンガ本編はこちら】「人間やめるなら タヌキにならねーか?」疲弊する現実、タヌキが伝えたかった事は

「何をしたらいいんでしょうか?」

「死のうとしたらタヌキにスカウトされたOLさん」というコメントとともに、漫画を投稿したのは、「愛しの故・シャーロット」(KADOKAWA)や「陽だまりの棲み家」(LINEマンガなどで連載)といった作品を発表している奈川トモさん(@nagawatomo)です。 始まりは、ひとけのない踏切。 響く遮断機の音に引き寄せられるように、うつろな目の女性が一人、線路内へ向かおうとします。 その時、「おい 死ぬのか?」。 背後から女性を呼び止めたのは、一匹のタヌキでした。 「人間やめるなら タヌキにならねーか?」 「疲れてんだろう?」 タヌキの言葉に、女性は、思わず「うん」と返事をします。「わたしほんとうに疲れてる……」 半信半疑の女性にお構いなく、タヌキは「そんじゃあ今日からタヌキな」と宣言。 あっという間に、女性は「変化の術」でタヌキの姿に変わります。 「タヌキが山にいねーんだ」「みんな人間になりたがってよ」 山道で、タヌキはスカウトの理由を話します。 女性はふと質問します。「私はタヌキになって何をしたらいいんでしょうか?」 タヌキは一瞬、絶句しつつ、「とりあえず太った方がいいな」「たくさん食べて肉つけてふかふかの毛を生やせ」 それ以外にも、水飲み場の場所、狩りの仕方、穴の堀り方……生きるために覚えるべきことはたくさんある。「超いそがしーわ」とタヌキは話します。

味を感じる余裕もなかった

タヌキのその言葉に、女性はふっと笑ってしまいます。 女性は、周りの環境に気づき始めます。山をサワサワと吹き渡る風。「野山のいい匂い」 川の水を一口含むと、女性は夢中で水を飲み始めます。その間、脳裏には、こうこうと光るパソコン画面を見つめながら、水も食事もただ「体に流し込んでいた」、人間の時の自分の姿がよみがえります。味を感じる余裕もなかった――。 「おいしい すごくおいしいです」 人間の時には、空気の匂いも水の味も、「全部忘れていた」ことに気づきます。 同時に、踏切に入ろうとしていた自分の姿がよみがえります。 「頑張って生きてるつもりだったけど」「死ぬ前から死んでたんですね」 「もう頭の中が死んでたから……」 あのときは、自分が死ぬことへの恐怖すら感じることができないほど、疲れ切っていたことに、女性は気づきます。 自分がしようとしていたことを思い出し、震えが止まらなくなる女性。 「怖くて……」 涙をこぼす女性は、いつの間にか、タヌキから人間の姿に戻っています。

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