「サラリーマンを食い物に、スルガ銀行は真実を見るべき」被害弁護団長
スマートデイズの経営計画を丸のみして融資していた
── スルガ銀行は融資する額をどのように判断していたのでしょうか? 河合氏 スルガ銀行は、融資対象の不動産を評価する時にスマートデイズが決めた予定家賃収入を基礎にした収益還元法だけで価値を算定して融資額を決めていました。それはスルガ銀行も認めている。普通であれば、銀行は物件の相場の価値を判断する。例えば3000万円の価値の土地を購入するのに、6000万円で買うから6000万円融資してくださいと言っても却下されるわけですが、スマートデイズのシェアハウスについて言うとスマートデイズの経営計画、シェアハウスの事業計画を丸のみして、不動産鑑定するなど客観的な手法はまったく用いていない。それはスルガ銀行も認めている。それじゃあ、スルガ銀行はスマートデイズのいいなりに融資していたことになるじゃないですか。 ── スマートデイズが破綻することは考えていなかったのでしょうか? 河合氏 スルガ銀行がどう考えていたのかというと、岡野さんというワンマン会長が、新規貸付額も利益も前年度対比プラスでないとダメだ、それもうんと高くないとダメだと言い、下の方はとにかく実績をあげることに追われていた。銀行全体の長期定期経営などはどうでも良い、今自分が成績をあげればそれでいいと思うようになるのです。大きな問題は、スルガ銀行の職員が不正を知って黙認していたばかりか、通帳の偽造などに加担していた可能性が高い。それも一人や二人ではなく、大多数の職員が加担していた可能性が高いということが問題なのです。 ── スマートデイズとスルガ銀行はどのような関係なのでしょうか? 河合氏 僕ははじめ、スマートデイズの創業者と不動産販売業者、そしてスルガ銀行の横浜東口支店長、この3人で始めたのだと思っていた。ところが違った。スルガ銀行は10年も前から(融資の)借入人の預金通帳や給与明細、源泉徴収票を偽造、もしくは偽造させて融資資格があるかのように仕立てて融資していたことがわかったのです。それはどういう物件でやっていたのかというと中古マンションの1棟売り。それを日本全国でやっていた。不動産業界では「スルガは甘くて早い」と認知され、スルガスキームという言葉まで生まれた。