「ピエリ守山」再オープン2か月 “生ける廃虚”に活気戻る
さらに鳥や爬虫類に直接さわれる屋内動物園も常設したのが特徴で、ライオンやワニなども飼育しており、土日祝日には希望者がゴールデンパイソンというニシキヘビの一種を体に巻いて写真を撮れるサービスが人気を集めています。入場料金は高校生以上1000円など。また琵琶湖畔という立地を生かすため、屋外に人工芝のフットサルコート3面を開設。バーベキュー施設の開設も予定しています。サムティでは「20代歳後半から30歳代のヤングファミリーがターゲットだが、年末年始などはお孫さんなどと一緒に来たという年齢層の高い方の来場も多くいただいた」と話しています。 年末に訪れた栗東市の会社員は「以前より店内が華やかな雰囲気に感じた。ファッション店もGAPなどがあって男性でも店内を見ていて楽しい。フードコートも興味のある店が多い」と印象を語っていました。また地元の飲食関係者も「ピエリがあるとないでは売り上げが違う。年末年始は久しぶりに活気づいてうれしかった」と話しています。
リピーターや琵琶湖周辺への集客カギ
一方で、湖南市の商業関係者は「まだオープンしていない区画もいくつかあり、以前のさびしいイメージを思い出してしまう」という声や、親子で訪れたという40歳代の女性も「琵琶湖岸は守山の市街地から少し離れており気軽に買い物には来ない場所で、一度のぞいてみても二回目にお客を呼ぶのはかなりの魅力がいる。屋内動物園も入ってみたが、1000円という料金ではピエリに来て毎回動物園に寄るとは言えない」と厳しい声もあります。2月9日時点で全140店舗のうちオープンしているのは8割近く。サムティでは「2月14日にはまだ空白のテナントのうち複数の店舗がオープンする見通し」としており、ゴールデンウィークをめどに全店オープンを目指しています。 また琵琶湖をはさみ対岸の堅田側からの来客増のためには隣接する「琵琶湖大橋」(往復料金400円)の無料化や料金補助といったサービスを求める声も出ているとことについてサムティは「当然、検討課題ではあるが、サービスによって橋の渋滞問題も考えられ、時期をみて考えていきたい」と述べるにとどまっています。 地元行政関係者からは「ピエリ周辺には遊休地が多く、ピエリ単体のままにせず、一体開発を進めていかなければまた期待外れになりかねない」という危機感も聞こえてきます。さらに地元の商業関係者は「琵琶湖大橋の料金引き下げは行政などで議論が出るが、なかなか前へ進まない印象だ」と指摘。また「滋賀県は人口増加傾向にある地域と言われるが、県北部は頭打ち感があり楽観できない。ピエリは地元大学からも遠く、若者をどうやって琵琶湖周辺に呼ぶか知恵を出さないといけない」と話しています。 一度ついた「廃虚」というマイナスイメージをどれだけ早くぬぐいさることができるのか。ピエリの次の今後が注目されます。