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「不便だけど、不幸じゃない」46歳で若年性アルツハイマー型認知症になった下坂厚さんに聞く

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サライ.jp

取材・文/坂口鈴香 京都市の下坂厚さん(46)は、昨年若年性アルツハイマー型認知症と診断された。絶望感しかなかったというが、「認知症初期集中支援チーム」の取り組みを通して、デイサービス施設の施設長・河本歩美さんと出会う。河本さんから、介護職員として働いてみないかと誘われ、躊躇しながらも試しにやってみたところ、案外できることがわかった。河本さんのサポートによって、下坂さんは次第に自信を取り戻していった。 【前編は関連記事から】

認知症当事者の声を伝えたい

今、下坂さんはこのデイサービス施設で、高齢の利用者のトイレや風呂、食事介助、レクリエーションやフロア業務などを担当している。 「仕事のやり方について自分で書いたメモを見ながらやっていますが、利用者さんの顔と名前がなかなか一致しません。レクで、赤組と青組に分かれてゲームをしても、途中でどちらが赤か青かわからなくなるし、前の人が何点取ったかも覚えられませんが」 この4月からは正社員になった。経済的不安は少し減ったとはいえ、妻と2人で働いていても、収入は以前の半分ほどになってしまった。いずれ家の売却も考えているという。若年性アルツハイマー型認知症の患者はまだ若いだけに、経済面をどう支えるかは大きな課題だろう。 本来、もっとも頼りになるのは「障害年金」だろう。これは、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになったときに、現役世代も含めて受け取ることができる年金だ。 「ところが、障害年金は初診日から1年半経過しないと申請できないというんです。なぜ1年半も必要なのでしょうか。それまでに快復するかもしれないから? でも、認知症は治らない病気です。矛盾しているのではないでしょうか。釈然としません。認知症に優しい社会になってきているとはいっても、当事者から見ると『進行するまで待って』と言われているようです。若年性アルツハイマー型認知症患者には年金受給までの対応措置がほとんどなく、空白期間があると感じます。改善を訴えていきたいと思っています」 認知症の診断を受けて6か月後から申請できる「精神障害者保健福祉手帳」は、申請後約1か月で精神障害者2級に認定されたが、経済面での支えとしては弱いという。

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