大山に続き朗報!阪神・原口文仁が残留 虎一筋16年目の来季へ「タテジマのユニホームを着てグラウンドを駆け回りたい」
国内フリーエージェント(FA)権を行使していた阪神・原口文仁内野手(32)が12日、残留を決断した。球団が同日夜、発表。近日中に会見する。より多くの出場機会を求めて1カ月にわたって検討を重ねてきたが、ここで区切りをつける。来季が現役選手最長となるタテジマ一筋16年目。何度も試練を乗り越えてきた不屈の男は、これからも虎のために身を粉にする。 【写真】阪神・大竹耕太郎に〝新しい家族〟 出会いは「運命的」 今のメンバーでは誰より長く、タテジマに袖を通してきた。悩んで悩み抜いたが、来季もタテジマだ。国内FA権を行使していた原口が残留を決断した。球団を通じて寄せたコメントにも、チームと虎党への思いがにじんだ。 「このたび、来季も阪神タイガースでプレーさせていただくことを決めました。今まで通り、タイガースのため、ファンの皆さまのためにタテジマのユニホームを着てグラウンドを駆け回りたいと思います。今後もよろしくお願いいたします」 迷いは消えた。決めたら即行動するのがポリシーだ。球団に伝え、お世話になってきた人たちへの報告を直接済ませたことによって異例の午後9時32分の発表になった。 虎でひと振りに懸け続ける道と、ここから切り開く別の道。自分が進める道はあるのだろうかという純粋な思いだけで、11月11日に国内FA権行使の手続きを行った。翌12日の会見でも「もっとゲームに出たい、スタメンから勝負したいという気持ちが強かった」と明かした。今このときを生きていられることが当たり前じゃないと知り過ぎている原口には、行動しない選択肢はなかった。 たび重なるけがや、2019年に乗り越えた大腸がんも周囲に忘れさせるくらい、鍛え上げた肉体は年々たくましさを増してきた。ただ、パンチ力を磨き上げてキャンプインしても、シーズンで求められるのは、ここぞでの一本。生き残るため、チームのために、多少打撃を小さくしてでも内野の間、外野の前に打った。今季も前半戦は大山の不調時に4番に入って本塁打も放ったが、捕手2人制の期間は〝もしも〟の場合の捕手としてベンチを温めた。出場52試合で打率・241、2本塁打、9打点。2割5分を超えれば上出来とされる代打打率では・279をマークしたが、試合に出続けたときにどこまでできるかは、原口自身が最も知りたかった。 同じ一塁を守る大山も同権利を行使して残留を決め、今後も役割は大きくは変わらないかもしれない。どんな形でもいい。もう一度、23年のような歓喜を味わえるなら何だってやる。視線はもう球団創設90周年、自身にとっては現役最長の阪神在籍16年目となる25年シーズンへ向いている。