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「韓国版ニューディール、社会的弱者包容のためにILOの核心条約の批准を」

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ハンギョレ新聞

[専門家らが見た韓国版ニューディール] 米国のニューディールから制度改革が抜け 7月の総合計画発表前に補完が急務 「ニューディールには、雇用創出だけでなく 社会的妥協・契約の側面もある」

 今月1日、デジタル・ニューディールとグリーン・ニューディールなどを枠組みとする「韓国版ニューディール」が発表されたが、労働権強化や社会保障制度拡大、経済主体間の妥協などの両極化の解消や、社会的持続可能性の強化のための改革案が足りないとの評価が出ている。2日、廬武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の経済政策秘書官室が作成した報告書「米国ニューディール政策の進行過程および評価」によると、「ニューディール政策は当時まで試みられたことのない新しいアプローチによる一種のパラダイム転換であり、資本主義体制の危機を中道的な方法で解決した」と分析した。基本方向としては、貧困と失業の救済(Relief)と産業秩序と経済の回復(Recovery)、社会的不均衡と市場システムの矛盾を是正する制度改革(Reform)などの「3R」を挙げた。  特に制度改革に関連して、労働者の団体交渉権の保障や不当労働行為の禁止などを盛り込んだワグナー法を制定し、所得不平等是正のために500万ドルを超える高所得者に75%の税率を適用するなど課税を強化した。また、米国史上初めて低所得者に月最大20ドルを支給する社会保障法も用意した。  一方、韓国版ニューディールは、2022年までの文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期中に31兆3000億ウォン(約2兆7000億円)を投入して55万件の雇用を創出するなどの「救済」や、デジタルインフラ構築や非対面産業の育成などの「回復」のための内容はあるが、制度改革関連の内容は不十分だとの指摘が多い。全国民を対象とする雇用セーフティーネットの構築などが一部盛り込まれているが、根本的な改革案と言えるほどの内容は足りないということだ。  明知大学のキム・ドゥオル教授(経済学)は「米国のニューディール政策には、脆弱階層を助けるための部分と、新しいことを今後どのように行うかなどが含まれていた」とし「韓国版ニューディールは過去の政策を繰り返した印象」と語った。韓国労働研究院のイ・ビョンヒ社会政策研究本部長は「韓国版ニューディールは経済政策が中心で、制度改革の観点が足りない」とし「これまで推進できなかった『結社の自由および団結権保護に関する条約』(87号)など4本の国際労働機関(ILO)の基本条約の批准や、特殊雇用労働者の労働組合結成権など、労働者の基本権を保証する内容が含まれなければならない」と述べた。保健社会研究院のキム・ミゴン先任研究委員は「米国のニューディール政策は、雇用創出だけでなく社会的妥協あるいは契約(deal)の側面もあった」とし「社会的持続の可能性のために、自営業者や特殊雇用労働者などの社会的弱者を包容できる制度がさらに補完される必要がある」と語った。  そのためには社会的議論を始めなければならないという指摘も出た。漢陽大学のハ・ジュンギョン教授(経済学)は「過去のニューディールは、米国の深刻な不平等の中で共存の秩序を探す過程だった。私たちも、多様な利害関係者、労働者と大・中小企業、政府などの経済主体間の対話を経て、譲歩と妥協を追求する秩序を探さなければならない」と語った。また「韓国版ニューディールには、非対面産業の育成などの産業政策だけでなく、両極化が深刻化する韓国社会に希望を与える内容も盛り込まれなければならない」と強調した。  政府は、7月に詳細な内容を盛り込んだ韓国版ニューディール総合計画を公開する予定だ。文在寅大統領は1日、「今回の補正予算に盛り込んだ韓国版ニューディール事業は始まりに過ぎない」とし、「7月に総合計画を出す際には、長期的かつ包括的な大きな絵とともに、自らの政権の任期までに成し遂げる具体的な構想を明らかにする」と語った。 イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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