「苦手なタイプのお客様」にはどう接すればいい?自分と共通点がなさそうな相手でも会話が広がる接客術【元ルイ・ヴィトン トップ販売員が解説】
接客業はお客様あってのものですが、「このお客様、苦手なタイプだな…」と感じることもあるでしょう。そんなお客様に対して、どのように接すればよいのでしょうか。本記事では、元ルイ・ヴィトン トップ販売員の土井美和氏の著書『元ルイ・ヴィトン トップ販売員の 接客フレーズ言いかえ事典』(大和出版)より一部を抜粋・再編集して、苦手意識を持つお客様と接するコツと「心動かすフレーズ」をご紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
「このお客様、苦手かも…」そんなときの接客フレーズ
【無難なフレーズ】 「そうなんですね。すごいですね!」 【心が動くフレーズ】 「そうなんですね。すごいですね! どうして興味を持つようになったのですか?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 苦手意識を回避するには、「さ行の相づち」を意識するだけではなく、お客様に興味を持って、さらに深堀する質問を加える必要があります。お客様はもっと気持ちよくお話ししてくださるはずです。
「すごい」で会話を終わらせず、もっと深く興味を持つ
あなたには苦手なタイプのお客様がいますか? 販売員を始めた20代前半の頃、私は様々なタイプのお客様に対して苦手意識がありました。 ■ シンプルに強面(オラオラっとした雰囲気で怖い) ■ 同世代の男性(どんなふうに相手から見られているのか、プレッシャーを感じる) ■ 目上の方(他ブランドについて深い知識をお持ちで、知識量の差に落ち込む) ■ 子連れのお客様(走り回ったり、あれこれ触る子どもが気になっていた) ■ 若い男性の団体客(ノリと悪ふざけに巻き込まれてしまう) ■ マダムの集団(おしゃべりに夢中でこちらの言葉が届かない) ■ 無口で反応が薄い方(何を考えているのか掴めない) 書いていてお恥ずかしいですが、なぜ苦手だと感じていたか振り返ってみました。 若い頃は、商品知識も経験もなく、自分に自信が持てず、余計にオロオロしてしまっていたように思います。そのせいでお客様に叱られて、次にまたそのようなタイプのお客様にアプローチするのが怖くなって……、という悪循環でした。 一度苦い経験をすると、同じように傷つきたくない、と思うのはごく自然な感情です。ただ、そこを恐れずに臆せずにチャレンジしていくことで、少しずつ知識も蓄積され、広い対応力と経験によって苦手意識はなくなっていきました。 例えば、目上のお客様も、私の知識が追いつかないことばかりで落ち込むことが何度もありましたが、逆に「そうなんですね。すごいですね! それはどのような場所なのですか?」「素敵ですね。いつか行ってみたいです!」「今度行ってみます。レストランの名前をメモしたいので、もう一度伺ってもよろしいですか?」というように質問し、後日訪れた感想を改めてお話ししながら関係を深めていきました。 「さ行の相づち(さすがですね・知りませんでした・素敵です・センスがいいですね・そうなんですね)」をご存じの方は多いと思いますが、単に「すごいですね」と言うだけではなく、「すごいですね。何がきっかけで始めようと思ったのですか?」「若い頃から興味があったのですか?」「よく行かれるのですか?」というように、「へぇ、すごーい」で終わらせず、さらに深く興味を持って質問を投げかけましょう。 苦手としていた目上のお客様も、こうして興味を持って話を聞く私を娘のように可愛がってくださるようになり、リピートに繋がりました。 このようなお客様からは19年間の販売員人生の中で、学校では決して教えてもらえないような多くのことを教えていただき、今でも私の財産になっています。
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