夜泣きをした娘に腹が立ってしまった…原因は、「心身の余裕がなくなっている自分たち夫婦」だと気づいて。家事シェア研究家がたどり着いた解決方法とは
◆わが家が描いたビジョン ビジョンとは未来像です。そしてその未来像を実現させるためにやるべきこと、それがミッションです。 ビジョンは「ビジョン達成のために、どうする?」というミッションにつながり、日々の決断はミッションに紐づいて意思決定されます。 日々の決断が夫婦で違ってしまったときも、ビジョンやミッションに基づいて、なぜその決断をしたのか振り返りやすくなります。 とはいえ、少し抽象的な話になってしまったので、わが家がどのようなビジョンを描いて子育て期を乗り越えているか、事例を紹介します。 娘が産まれてひと月後のこと。僕は小さくて可愛い娘に心からムカついてしまった日がありました。 当時すでにNPO法人 tadaima! の活動をしていた僕は、頭でっかちに育児の知識だけは勉強しており、「こうすれば大丈夫」というノウハウをいっぱい持っていました。 その頃よく聞いていたのが、「ママが子どもの夜泣き対応で夜中に何度も起きるのに、全然気がつかずに横で寝てるパパの姿に殺意が芽生えた」という話。 僕は同じ轍を踏むようなことはするまいと、娘が夜泣きをするたびに起きていました。 しかし、泣き止ませるために妻が授乳していても、僕はとくにやることがありません。真っ暗な寝室の中、眠気と戦いながら何となく妻の背中を擦っていました。一方、僕がミルクをあげるときは、妻には体力回復のために眠ってもらっていました。 その結果、まとまって眠る時間がほとんどとれず、僕の体力と精神力はどんどん削られていったのです。
◆「このままじゃまずい」と気づいた出来事 そしてある夜。相変わらずの夜泣きをした娘にミルクをあげ、抱っこもして、子守唄なんかも歌ったりしながら1時間ほどが経過。それでも全然眠る気配のない娘に対して、とんでもなく腹が立ったのです。 疲れと、いつまでも寝てくれない嫌気から、まだ泣いている娘をベビーベッドに寝かせると、そのまま気絶するように眠ってしまいました。 翌朝。泣いたままの娘を放置して眠ってしまったことへの罪悪感に苛まれ(今思えば、そのくらいあるよ、と思うのですが)このままじゃまずいと気づきました。 その後の妻との話し合いで、腹が立った原因は夜泣きをする娘ではなく「明らかに心身の余裕がなくなっている自分たち夫婦」だよね、と話しました。 僕たちの心身が疲れ切ってしまったら、子どもに何かあったとき適切な判断をしてあげられないかもしれない。 親が健康でいられないことこそが子どもにとって一番のリスクなので、子どもが安心安全に育つために、「親が心身ともに健康な状態で子育てできること」を最優先にすることにしました。
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