夜泣きをした娘に腹が立ってしまった…原因は、「心身の余裕がなくなっている自分たち夫婦」だと気づいて。家事シェア研究家がたどり着いた解決方法とは
総務省統計局が行った「令和3年 社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもを持つ世帯が家事や育児などに費やす時間は、夫が1.54時間、妻が7.28時間だったそう。そんななか、家事シェア研究家の三木智有さんは、家事育児をひとりに頼り切らない「チーム家事」というスタイルを広めるため活動しています。そこで今回は、三木さんの著書『家族全員自分で動く チーム家事 日本唯一の家事シェア研究家が導き出した』から、家庭生活をより良くする考え方を一部ご紹介します。 【書影】仕事・家事の両立をあきらめない「家事シェア」メソッド。三木智有『家族全員自分で動く チーム家事 日本唯一の家事シェア研究家が導き出した』 * * * * * * * ◆夫婦ビジョンは、どんな力があるの? 夫婦ビジョンとは、意見や家事育児の方針がすれ違ったとき、それを建設的に解決するための夫婦共通の軸のことです。 よほどの理由がないかぎり、夫婦は家族のために「よかれ」と思って行動を起こすでしょう。でもそれが食い違ってしまうことで、すれ違いが起こるのです。 よくあるのが、子どもが産まれたあとの生活について。子どもや家族のためを思って、「もっと稼がなくちゃ、これから色々とお金が必要になるから!」と残業などもがんばるようになるパパ。 一方で子どもが産まれた生活が不安で大変で「もっと夫には家にいる時間を増やしてほしい」と思うママ。 最近は逆の話も聞くようになりました。もっと家にいたいと思うパパに対して、どんどん稼いできてほしいママ、なんて具合に。 いずれの場合も、お互いが考えているのは「家族のため」です。なので「家族のために」という話だけをどれだけしても、話が噛み合わないことはよく起こります。それぞれの見ている「家族のために必要なもの」が違うのです。 こうした課題は、家族に限らずあらゆるコミュニティで起こっています。会社や団体など人数の多い組織になるほど、意見の対立も複雑化していきます。そうした個人個人の「よかれ」をひとつに束ねていくのが「ビジョン」です。
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