都ホテル跡「近鉄に意見」 知事、再開発加速へ積極関与
●馳知事、県議会で表明 高さ制限除外「大きな一歩」 金沢駅前の金沢都ホテル跡地の再開発を巡り、石川県の馳浩知事は6日、跡地所有者の近鉄グループと金沢市が進める議論に対し「必要に応じて近鉄グループに意見を伝え、県の役割を果たしたい」と表明した。同所は北陸随一の一等地でありながら塩漬け状態が続き、経済団体などから整備を急ぐよう声が上がる。市は駅前一帯を文化観光の推進エリアと位置付ける方針で、県は積極的に議論に関与し「石川の顔」にふさわしい形での開発を加速させたい考えだ。 都ホテル跡地の再開発に向け、金沢市は近鉄グループと都心軸沿線(金沢駅―片町)に民間投資を呼び込むための「都市再生緊急整備地域」の指定を目指している。 6日の県議会12月定例会の代表質問で馳知事は、市が駅周辺エリアでの再開発の際に60メートルの高さ制限などを除外できる方針を決めたと説明。「近鉄グループの開発計画の選択肢が広がる。長年の懸案の解決に向けた大きな一歩だ」と強調した。 高さ制限や容積率といった開発上の制約を外すには、手続き上、県の決定が必要で、県は市や近鉄グループによる議論に関わり、再開発の青写真を早期に描くよう働き掛ける。金沢経済同友会も市に対し、再開発の進展を促してきた。 都ホテルは2017年3月に営業を終え、建物が解体されたが、跡地は更地の状態が6年以上続いている。市と近鉄グループは23年、緊急整備地域の制度を規定する特措法に基づき再開発を進める方針で合意した。 市は12月下旬にも内閣府に整備方針を提出する方針で、早ければ来夏にも緊急整備地域に指定される見通し。その後、開発計画案がまとめられ、県が「都市再生特別地区」として決定する流れとなる。