井上尚弥の前座で豪快KO。16戦全勝のボクサー、平岡アンディとは何者?
「さっき、おやじと(大橋秀行)会長に『どうだった?』って聞いていたんですよ。(ダウンを奪ったパンチは)アッパーが当たったのかなあ、という感じで、あんまり感触がなかったので」 【画像】平岡アンディとトレーナーでもあるガーナ人の父 試合後、事もなげにKOシーンを振り返る姿からも、平岡アンディ(大橋ジム)が規格外のボクサーであることが感じられた。ほとんど手応えがなかったパンチでダウンを奪い勝利してしまう。このパワーとスケール感が、アメリカでも注目を浴び始めている。 現地時間10月31日、米ラスベガスのMGMグランドガーデン内にあるカンファレンスセンターで行なわれた、スーパーライト級8回戦。平岡はリッキー・エドワーズ(アメリカ)を相手に4回2分20秒でTKO勝ちを飾った。 サウスポースタンスで攻め込み3回に先制ダウンを奪うと、4回にも右フックでダメージを与え、2度のダウンを追加して完勝した。 この日のメインイベントは、"モンスター"こと井上尚弥(大橋ジム)のラスベガスデビュー戦。王者の井上が挑戦者のジェイソン・マロニー(オーストラリア)を7回KOで下してタイトルを防衛し、全米のファンを興奮させた注目度の高い舞台で、24歳のスター候補は強さと魅力を存分にアピールした。 近年、NBAでプレーする八村 塁(はちむら・るい)、女子テニスの大坂なおみなど、ハーフのアスリートの活躍が目立っている。ガーナ人の父、日本人の母を持つ平岡もそのひとり。プロデビュー以来16戦全勝(11KO)の快進撃を続けているが、遠くないうちに令和を代表するハーフ・アスリートとして認識されるかもしれない。 主要なタイトル獲得の実績はないが、平岡のポテンシャルの高さは、昨年11月に米最大手のボクシングプロモーション会社「トップランク社」と契約したことが証明している。 88歳の名プロモーター、ボブ・アラム氏が率いるトップランク社は、過去にマニー・パッキャオ(フィリピン)、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)といった多くの外国人選手をスターダムに導いてきた。最近では村田諒太(帝拳ジム)、井上という"日本の2大スター"も傘下に収めている。 平岡は、昨年11月のラスベガスデビュー戦でも2回KO勝ち。アラム氏の前で連続KO勝利を飾っている。 「(2戦とも)KOできたのはよかったんですけど、まだ自分の実力を100%は出せていないと思います」 そう厳しく自分を評価する平岡だが、豪快なKO勝利が求められているのは世界共通。今後も、井上のラスベガスでの試合のアンダーカードなどで、KOを積み重ねていけば本場アメリカでの知名度も高まっていくはずだ。