エリザベス女王の夫、フィリップ王配は苦難の幼少期を送った? ダイアナ妃と仲良しだった?…ドラマ『ザ・クラウン』は史実に忠実なのか徹底検証
エリザベス女王は君主だけれど、フィリップ王配は今もなお大きな影響力を持つロイヤルファミリーの家父長だ。Netflixの『ザ・クラウン』ほど、近年でそのことにハイライトを当てたものはない。 シーズン1と2では、『ドクター・フー』のマット・スミスがフィリップを演じ、3と4ではトビアス・メンジーズが引き継いだ。そして最後5と6ではジョナサン・プライスが演じることになっている。 そこで、『ザ・クラウン』がフィリップ王配を忠実に描いたところとそうではないところをまとめてみた。 【写真】なんともほほ笑ましい! エリザベス女王とフィリップ王配の幸せな16の瞬間
【誤】フィリップ王配は女王にひざまづきたくなかった
シリーズの中ではドラマティックでおもしろい瞬間になっていたが、フィリップ自身はそもそも王族出身なので、エリザベス女王にひざまづくことに問題があったとは考えにくい。君主に対する尊敬を表すサインとして定着しているからだ。 王室に詳しいクリストファー・ウィルソンは、「そのことをフィリップ王配がエリザベス女王に話したとは考えにくいですね。なぜなら、彼自身がイギリス王室の風習に倣った王室の出身だからだ。彼は、人前でのふるまいについてよく理解し、進んでそれをやっていたと思いますよ」
【正】苦難の幼少期を送った
シーズン2と3では、フィリップ王配の辛い(トラウマになったと言う人もいる)幼少期を掘り下げた。これはほとんど正しく描かれている。 フィリップ王配が子どもの頃、一家は政治的混乱のさなかに祖国ギリシャから追放された。実際はオレンジを詰めた木箱に入れられ、密かに出国したという。 亡命後、母は精神を病み、父はフランスへ移って、フィリップ王配は英国のさまざまな親戚の元に預けられた。
【正】マウントバッテンを王室の姓にするよう闘った
『ザ・クラウン』で、フィリップ王配はマウントバッテンという姓を王室の姓にし、子どもたちが受け継ぐよう(ウィンザーではなく)、ほとんど主張しているように描かれている。しかし、結局は闘いに敗れたことを彼は不満に思っている。 この部分は本当だ。『Philip and Elizabeth: Portrait of a Royal Marriage』の中で伝記作家ジャイルズ・ブランドリスはフィリップ王配がこれについて「私は単なるアメーバにすぎない。この国で自分の子どもたちに自分の姓を与えることが許されない唯一の男だ」と私的な(そして明らかに悲痛な)コメントをしたと書いている。