日本に情報機関はないのか? “成果”は公開されている
公刊される情報機関の“成果”
これらの情報機関は、その「成果」を公刊している。公安調査庁では、毎年『内外情勢の回顧と展望』を公刊し、収集した内外の情勢の中で公開できるものを公開し、公安調査庁の解釈を加えて分析をしている。 さらに警視庁公安部の情報は、主に『治安フォーラム』という立花書房から刊行されている雑誌に掲載されていることが多い。同誌は、内外の治安情勢についての専門雑誌であり、社会情勢・国際情勢の公安的な「見方」が記されている。 出版社の立花書房は警察官向けの書籍・雑誌を専門に出版していることでも知られる。読者は警察官を中心にしており、一般の読者もいるという。書店にならぶことはめったにないが、注文すれば取り寄せることができ、公式ホームページからの定期購読も受けつけており、富士山マガジンサービスでも定期購読できる。 同誌によると、部数は非公開であるという。おそらく、そこから情報関係者の人数が割り出せるからだろう。ほかでは読むことのできない筆者も多く、公安警察官が変名で書いていると言われている。どういった人物が書いているのか? 執筆陣について同誌は「なんとも言えない」と明言を控えている。 (ライター・小林拓矢)