落合GMのコストカットは21世紀型球団経営なのか?
「グラウンドに銭が落ちている」は、名将、鶴岡一人氏の名言だが、出来高払いのインセンティブも採用せず、駄目ならば大幅減額の恐怖心だけを選手に植え付けてしまっていては、ここ一番での主体性に大きな影響が出てくるのではないだろうか。 ■ドラフト戦略にも影響を与える危険性も また今後、FA補強などについても「中日に行くと契約更改が怖い」と敬遠される可能性もあるだろう。新人選手の年俸には、よほどのことがない限り手をつけないのが球界の常識だったが、落合GMはルーキーの福谷浩司投手(9試合に登板して1敗3ホールド)の年俸も下げた。 今後のドラフト戦略においても、アマチュアの各チームが「中日さんよりもっと待遇のいい他球団を」と考えて中日を敬遠する風潮が生まれ危険性もある。そうなると落合GMの取った方式は、長期的に見たチーム強化への影響も出てくるかもしれない。落合GMの契約更改方式が、本当に21世紀の球団経営のデフェクトになるかどうかは、まずは2014年シーズンの結果にかかってくるだろう。(文中年俸額はすべて推定) (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)