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「ダムありき」議論やめて 球磨川流域の建設反対派、被災者ら

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熊本日日新聞

 熊本県の蒲島郁夫知事が定例会見で、自身が白紙撤回した川辺川ダム建設も球磨川の治水対策の「選択肢の一つ」とする考えを示した26日、球磨川流域のダム反対派住民や豪雨被災者からは「ダムありきではない抜本的な治水対策」を求める意見や、ダムの緊急放流を不安視する声が相次いだ。  「場所によって被害はさまざま。まずは慎重に検証してから、総合的な治水対策を打ち出すべきだ」とくぎを刺すのは、「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」共同代表の緒方俊一郎さん(79)=相良村川辺。  緒方さんらは今回、国が示した人吉地点のピーク流量を大きく上回る流量が流れたとみており、「大水害ではダムを造っても役に立たず、かえって緊急放流への不安が高まるだけだ」と訴える。  長く反対運動をけん引してきた靎[つる]詳子さん(70)=八代市本野町=も「ダム前提で議論している場合ではない」と強調する。  豪雨後、球磨川流域を見て回った靎さんは「瀬戸石ダムなど『人の手』が球磨川の流下能力を下げている」と指摘。新たな構造物となるダムで一時的に治水能力を上げても、「想定外の豪雨」には対応できず、「ソフト面も含め、流域住民を巻き込んだ真の流域治水を進めるしかない」と語気を強める。

 自宅が屋根まで浸水し、近くの避難所に身を寄せている榊愛子さん(75)=人吉市中神町=も「最近の雨の降り方は異常。知事が住民のために考え方を変えるのは大事だが、ダムを造ってどうにかなるとは思えない」と困惑気味。  人吉市のアパートに避難する清川サミエさん(70)=球磨村神瀬=は「ここまで被害が大きいと、ダム建設も仕方ないのかもしれない」。ただ、水をためきれなくなったダムの緊急放流への不信感は根強い。今回の豪雨で、市房ダムが緊急放流寸前だったことに触れ、「『緊急放流する』と聞いて大きな不安を感じた。将来、川辺川ダムまで緊急放流する事態になったら、さらに恐ろしい」と顔をしかめた。(太路秀紀、臼杵大介、小山智史)

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