ノルドストリーム攻撃の男、独が逮捕状も出国=ポーランド検察当局
Rachel More Anna Wlodarczak-Semczuk [ベルリン 14日 ロイター] - ポーランド検察当局は、バルト海を経由してロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」を2022年に攻撃したとしてドイツ当局が逮捕状を出したウクライナ人の男がすでにポーランドを出国していることをロイターに明らかにした。ドイツが指名手配者のデータベースに氏名を登録していなかったために出国できたと言及した。 ドイツ捜査当局は、ウクライナ人ダイバーのウォロディミル・Z容疑者が爆発物を仕掛けたメンバーであったとみていると、複数のメディアが匿名の情報筋の話として報じた。ポーランドの法律では、犯罪捜査で容疑者のフルネームを公表することは認められていない。 ポーランド検察当局の報道官によると、ドイツ当局は今年6月、ウォロディミル容疑者のドイツでの手続きに関連して、ワルシャワの地方検察当局に逮捕状を送った。ただ、ポーランド国境警備隊にこうした情報が伝わっておらず、ウォロディミル容疑者は7月にポーランドからウクライナに出国した際にも拘束されなかったという。 ドイツはウクライナとの関係がノルドストリームを巡る調査で悪化することはないとしている。 ロシアは「ノルドストリーム」パイプラインの爆発に関して、米、英もしくはウクライナが関与した疑いがあるとして非難。一方、これらの国々は関与を否定している。 ドイツ、デンマーク、スウェーデンが爆発事故に関して調査。スウェーデンは爆発現場から回収した物体に見つかった爆発物の痕跡から、爆破が意図的なものと判断した。ただ、スウェーデンとデンマークは2月、容疑者を特定せずに調査を終了している。