即、実践できる「のど活」10カ条【1】まずはこれから!葉酸、はちみつなどを摂る
ワクチンの定期接種、葉酸やはちみつなどの食生活…。将来、誤嚥性肺炎にならないために今すぐはじめたい「のど活」10カ条を3回にわたって呼吸器内科医 大谷義夫さんに聞いた。今回はその1~4までをご紹介しよう。
その1 葉酸、はちみつなどはのど活に◎!
ビタミンB群のひとつである葉酸は、嚥下反射や咳反射を高める。豊富な食材は、ブロッコリーや春菊などの野菜。抗酸化・抗炎症作用があるはちみつを、気管支拡張効果があるコーヒーに入れて飲むと、咳予防に。わかめなどの粘りけのある食材も、のどの粘膜を保護する。また、りんごが肺機能を高めるというデータも。
その2 肺炎予防にはワクチンを!
「おすすめは、肺炎予防の科学的根拠がある肺炎球菌ワクチンの接種です」と大谷先生。 ヒトの鼻咽頭粘膜に常在する肺炎球菌は、気管支炎や肺炎を起こすことがある。これを予防するワクチンには23価多糖体ワクチン(ニューモバックス)と13価結合型ワクチン(プレベナー)がある。 前者は65歳以上の高齢者を対象に定期接種が推奨され、後者は小児(定期接種)と高齢者にのみ適応だったが、65歳未満でも心臓や腎臓、呼吸器などの疾患がある人は受けられるようになった。
その3 1日4回の歯磨きを実践する
「誤嚥性肺炎は飲食物の誤嚥より、口腔内細菌を含んだ唾液を夜間に無意識に誤嚥することで生じます。口腔内を清潔に保てば、誤嚥しても気道に入る細菌数は少なくなります。特に高齢者の口腔ケアが重要なのは、このためです」。 できれば歯磨きは、起床時、朝食後、昼食後、夕食後、寝る前の1日4~5回。こまめに口中の雑菌を洗い流す習慣を!
その4 鼻呼吸を習慣にする
鼻で吸って吐く「鼻呼吸」にはたくさんのメリットがある。「上気道が広がるので、息を深く、たくさん吸えること。鼻毛でウイルスやアレルゲンなどの異物をとらえて除去しやすいこと。また、気道の乾燥を防ぎ、のどの繊毛の活動が正常に行われるので、免疫の第一関門としての機能も高まります」 食生活やはみがき、鼻呼吸など、日常生活で意識を少し高めることが誤嚥性肺炎を防ぐことにつながっていく。そして、ワクチンはかかりつけと相談しながら適時接種していこう。次回はその5~7。普段の行動の中、のどのためにできることを紹介する。 教えてくれたのは 大谷義夫さん 呼吸器内科医。池袋大谷クリニック院長。東京医科歯科大学呼吸器内科医局長などを経て、2009年より現職。呼吸器内科のスペシャリストとしてメディアでも活躍 イラスト/macco 取材・原文/山村浩子