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「日本はデジタル先進国」は幻想だった!コロナ危機後の「第四次産業革命」とは

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■「第四次産業革命」実現をめざす世界  Covid-19発祥の地であった中国が、いちはやくコロナ危機から抜け出して打ち出したのが「新基健」政策だ。4月1日には、習近平総書記が浙江省を視察した際に「産業のデジタル化が与えるチャンスをしっかりつかみ、5Gやデジタルセンターなどの新型基礎インフラ建設を加速し、デジタル経済、健康、新素材などの戦略的新興産業、未来産業をしっかり準備し、科学技術イノベーションを力強く推進し、壮大な成長点として新たな発展動力を形成せよ」と号令をかけた。要するに、ICT技術を駆使したインフラを世界中に売り込むのだ。(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60423)  この政策は中国独自のものではない。2016年にすでに「世界経済フォーラム」(World Economic Forum、WEF/通称ダボス会議)が打ち出した「第四次産業革命」に即したものである。  「世界経済フォーラムは、経済、政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関。1971年に経済学者クラウス・シュワブにより設立された。スイスのコロニーに本部を置き、同国の非営利財団の形態を有している」と、ウィキペディアには書かれている。  この機関を設立した経済学者のクラウス・シュワブ(Klaus Schwab:1938-)はスイスの経済学者で、ドイツ生まれ。貧乏なのが普通の学者なのに、自分の「財団」を持てるのが不思議だが。  このシュワブが率いる「世界経済フォーラム」が2016年1月に「第四次産業革命」についてぶち上げた。(https://www.weforum.org/agenda/2016/01/the-fourth-industrial-revolution-what-it-means-and-how-to-respond/)  クラウス・シュワブは、第四次産業革命について本も書いている。その翻訳も出版されている。『第四次産業革命---ダボス会議が予測する未来』(世界経済フォーラム訳、日本経済新聞出版社、2016)だ。(https://amzn.to/2Av0XfG)  この本の目次を見るだけでも、第四次産業革命が何をめざしているか見当がつく。  「体内埋め込み技術」「デジタルプレゼンス」「視覚が新たなインターフェイスになる」「ウエアラブル・インターネット」「ユビキタス・コンピューター」「ポケットに入るスーパーコンピューター」「コモディティ化するストレージ」「インターネット・オブ・シングスとインターネット・フォー・シングス」「インターネットに接続された住宅」「スマートシティ」「意思決定へのビッグデータ利用」「自動運転車」「AIと意思決定」「AIとホワイトカラーの仕事」「ロボット技術とサービス」「ビットコインとブロックチェーン」「シェアリング経済」「政府とブロックチェーン」「3Dプリンタと製造業」「3Dプリンタと人間の健康」「3Dプリンタと消費財」「デザイナーベビー」「ニュー・テクノロジー」。  できれば2030年くらいには、遅くとも2050年までには、こういう世界を実現しようというのが、「第四次産業革命」だ。「世界経済フォーラム」の共通認識なのだ。 ■日本の「ムーンショット目標」は第四次産業革命の日本版  この世界経済フォーラムで決まったことに即して、日本政府もSociety 5.0 実現を目指すことになった。5月27日には急いで「スーパーシティ法案」を通過させた。これは、「岩盤規制」でがんじがらめになっている日本全体をすぐ変えることができないので、「国家戦略特区」を作り、その地区だけ特別に規制を外し、実験的にSociety 5.0的システムを導入させようという法案だ。成功したら、あちこちで導入しようというわけである。  立法府は国会なのだから、「岩盤規制」があるからなどと言っていないで、サッサと規制緩和すればいいと思われる。しかし、「民主国家」の日本はそうは簡単に変化できない。日本の人口はアメリカの半分なのに、日本の国会議員の数はアメリカより多い。2020年現在では709人。アメリカでは531人だ。ちなみに世界で最も国会議員の数が多いのは中国で2975人だ。中国の人口は日本の人口の10倍だが、国会議員の数は10倍じゃない。(https://www.globalnote.jp/post-14480.html)  日本では国会議員の利権構造が頑強であり、そこに関与している官僚たちの利権構造も頑強であり、そこに関与している有権者の利権構造も頑強なので、そこを崩して規制緩和できないようだ。  しかし、世界と歩調を合わせないと、日本の産業が世界に食い込めない。つまり、日本の技術が稼げない。稼げないと、極東の離れ小島の貧乏な後進国になる。   日本政府は、「ムーンショット目標」を掲げて、未来の技術開発研究に潤沢な予算を出すからと、企業や研究機関に名乗りをあげよと檄を飛ばしている(下記引用映像参照)。 (https://www.bing.com/videos/search?q=%e3%83%a0%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88%e5%9e%8b%e7%a0%94%e7%a9%b6%e9%96%8b%e7%99%ba&&view=detail∣=F1A6AE1824B41D756F99F1A6AE1824B41D756F99&&FORM=VRDGAR&ru=%2Fvideos%2Fsearch%3Fq%3D%25e3%2583%25a0%25e3%2583%25bc%25e3%2583%25b3%25e3%2582%25b7%25e3%2583%25a7%25e3%2583%2583%25e3%2583%2588%25e5%259e%258b%25e7%25a0%2594%25e7%25a9%25b6%25e9%2596%258b%25e7%2599%25ba%26FORM%3DHDRSC3)  ムーンショット(moonshot)というのは、故JFK大統領が発した言葉だ。アポロ計画を開始するきっかけとなった1961年5月25日のスピーチで、「月に向けたロケットの打ち上げ(ムーンショット)」が、その由来だ。「10年以内の1960年代終わりまでにアメリカは人間を月に送り、無事帰還させる」と、ケネディ大統領が言った。つまり「最初にできそうもない目標を掲げておくと、技術がその実現を目指して発展する」という意味だ。  内閣府のサイトには、「ムーンショット目標」について以下のようなことが書かれている。(https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/sub1.html) 1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現   2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現  3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現   4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現   5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出  6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現    「2050年までに、複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する」  「2030年までに、1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する」  「サイバネティック・アバターは、身代わりとしてのロボットや3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含む概念。Society 5.0時代のサイバー・フィジカル空間で自由自在に活躍するものを目指している」

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