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手塚治虫の意欲作『クレオパトラ』公開から50年。「アニメは子供のもの」の常識に挑む

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マグミクス

大ヒットした『千夜一夜物語』 に続く、虫プロの劇場第2作

 かつてアニメーションは「テレビまんが」や「マンガ映画」と呼ばれ、子供向けに作られた作品がほとんどでした。子供たちは大きくなると、アニメーションから卒業していくものと考えられていたのです。そんなアニメ界の常識に疑問を呈したのが、「漫画の神様」手塚治虫氏でした。 【動画】やなせたかし氏も深く関わっていた! アニメラマ第1作『千夜一夜物語』  手塚治虫氏が国産アニメーションを生み出すために設立したスタジオ「虫プロダクション」では、1969年に大人向けの劇場アニメ『千夜一夜物語』を制作・公開し、これが大ヒット。気をよくした「虫プロ」が1970年に公開したのが『クレオパトラ』です。  2020年9月15日(火)は、『千夜一夜物語』以上に大胆な恋愛描写を盛り込んだ『クレオパトラ』の劇場公開から50年となります。のちのアニメ界に与えた影響を振り返ります。  日本初のTVアニメシリーズ『鉄腕アトム』(フジテレビ系)の放映が始まったのが1963年。その後も「虫プロ」は、『ジャングル大帝レオ』『リボンの騎士』『どろろ』(フジテレビ系)などの名作アニメを手掛けます。しかし、TVアニメは制作費が安いため、慢性的な赤字経営が続いていました。その打開策として企画されたのが、劇場公開を前提とした「アニメラマ」です。「アニメラマ」とは、アニメーションとドラマを合わせた造語です。大人向けの大衆娯楽作として制作されました。 「虫プロ」のベテランアニメーター・山本暎一氏が監督したアニメラマ第1弾『千夜一夜物語』は、配給興収2億9000万円の大ヒット。年間興収でも5位にランキングされるという、好成績を収めました。新宿ミラノ座、渋谷パンテオンなどの大劇場に若者たちが詰めかけ、「アニメは子供が見るもの」という既成概念を打ち砕いてみせたのです。  続く『クレオパトラ』は、山本暎一氏と手塚治虫氏が共同監督することに。古代エジプトの女王・クレオパトラの数奇な運命が、アニメーションならではのシュールな演出も交えて描かれています。キャラクターデザインには、日本酒「黄桜」のマスコットキャラクターでも知られる漫画家・小島功氏が起用されていました。

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