パパ・ママ500人に聞いた子どもに就いてほしい職業ランキング、男の子1位は公務員、女の子1位は?
親は子の将来を案じずにはいられないもの。子どもが抱く大きな夢を応援したいと思いつつも、一方で、「できれば安定した職業についてほしい」と願うパパ・ママは多いことだろう。 そんな「子どもに将来なってほしい職業」に関する意識調査がこのほど、株式会社ビズヒッツにより、子どものいる全国の男女500人を対象にして実施された。 <回答者の属性> 子どもに将来なってほしい職業ランキング 「将来子どもになってほしい職業は?」と聞いたところ、男の子のダントツ1位は「公務員(75人)」となった。女の子の1位は「看護師(60人)」。こちらも2位に倍近くの差をつけた。 ■男の子には収入に困らない仕事をしてほしい 男の子になってほしい職業には、公務員を筆頭に、医師、警察官、消防士など、収入が安定していて、かつ失業リスクの少ない仕事がランクインした。家族を養う可能性の高い男の子には、将来への不安が少ない仕事をしてほしいと思う親心が垣間見える。 また、これからますます需要が高まると考えられているエンジニアやプログラマーも2位に入っている。 2015年には、英オックスフォード大学と野村総合研究所の共同研究による「10~20年後に、AIやロボットに代替可能な職業」という調査結果が話題になった。そのため、「今後もなくならない仕事」「これから必要とされる仕事」に就いてほしいと望むパパ・ママも増えているようだ。 【1位:公務員】安定した仕事に就いてほしい ・大きな夢を持って頑張るのも素晴らしいことだが、やはり安定しているのが一番いいから(50代女性製造業パート) ・信頼性があり、安定した将来設計ができるから(30代男性メーカー事務職) ・安定していて休みもしっかりあって体を壊しそうにないから(30代男性専業主婦) 「民間企業のように時代や景気に左右されたり潰れたりすることがない」「安定した生活が送れる」というのが、主な理由となっているようだ。共働き家庭が増えたとはいえ、まだまだ家計の大半を担うのは男性であるケースが多いのが現実。そのため、家庭をもっても安心して暮らせるよう「職を失うリスクが低く、手堅く稼げる仕事に就いてほしい」というのが、男の子をもつ親の本音なのかもしれない。 【2位:エンジニア・プログラマー】今後主力となる仕事に就いてほしい ・手に職をつければ、職場が変わっても生きていけるから(40代男性メーカーの技術職) ・これからは色々な職業がAIに取って代わられるようになると思うので、それを開発したり、動かす技術者になってしい(40代女性専業主婦) ・子ども自身が現在とても興味がある分野で、夢に向かって積極的に勉強している。好きなことを仕事にして欲しいと思う(30代女性専業主婦) 今やあらゆる業種・業界で業務のIT化が急激に進んでいることから、将来性のある仕事として選んだパパ・ママが多くいた。 また、「パソコン環境があればどこでも働ける」「プログラミング言語は世界共通なので国内外で働ける」などの理由から、活躍の場や働き方の選択肢が広いことも、子どもに勧めたいと思う理由となっている。 さらに、子ども向けのプログラミングスクールやワークショップも人気であることから、子ども自身がエンジニアの仕事に興味をもったり、カッコイイ仕事として憧れたりするケースも多いようだ。 【3位:スポーツ選手】夢中になれることを仕事にしてほしい ・今夢中になっているものを続けてほしい(40代男性工場長) ・自分がプロ野球のファンなので、男の子が生まれたらプロ野球選手を目指して欲しいなと思っていた。大変だけれど、夢や元気を与える職業について欲しい(30代女性専業主婦) ・自分が昔サッカー選手になるのが夢だったから(30代男性建設業) 夢中になっているスポーツを仕事にしてほしいという思いから、スポーツ選手が第3位にランクイン。 他にも目立ったのが、「パパやママがそのスポーツをすきだから」または「自分はなれなかったら息子にはプロになってほしい」といった意見。子どもに夢を託したい、一緒に夢を見たいといった思いもあるようだ。 【4位:医師】人の役に立つ仕事をしてほしい ・他人からも感謝され、経済的にも豊かになってほしい(40代男性営業職) ・子どもがなりたいと夢見ており、人を助ける立派な仕事だから。やりがいもあるから(40代女性薬剤師) いつの時代も必要とされ、なくならない仕事であること、また、安定した収入が望めることも、親としては安心しておすすめできる理由となっている。自分自身や配偶者、親が医師であることから、同じ道に進んでほしいとの声も多くあった。 【5位:警察官】立派な人になってほしい ・しっかりとした仕事をしてほしいと思っているので(50代女性専業主婦) ・人の助けになるような仕事をしてもらいたい(40代女性専業主婦) ・心技体が鍛えられ、報酬も安定してそうだから(40代男性フリーランス) 「正義感をもってほしい」「世の中の役に立ってほしい」「強い男になってほしい」といった意見が多数。人のために働ける立派な人になってもらいたいという思いがあるようだ。また、公務員であることから失業のリスクがない、収入が安定しているといった点も理由となっている。 【6位:教授・研究職】好きなことを突きつめてほしい ・興味のあることを一生の仕事にしてほしい(30代男性旅行会社の企画) ・一つの事に没頭するタイプなので、大好きなことを一生懸命研究できる仕事が合っていると思う(40代女性秘書) 「集中力がある」「勉強がすき」といったお子さんの性格から、好きなことをとことん突きつめる教授や研究職が向いていると感じているパパ・ママが多数。子どもには、好きなことを仕事にしてほしい、やりがいをもって働いてほしいと願う気持ちが伝わってくる。 【7位:消防士】人や社会に貢献してほしい ・人命救助に携わる素晴らしい仕事、国や人のために働いてもらいたい(40代女性高校教師) ・将来的にも消防士という職業がなくなることはないし、人を守れる強い子になってほしい(30代男性システム管理) ・主人が消防士。収入の安定性がある(30代女性専業主婦) 人の役に立つ仕事をしてほしい、社会に貢献してほしいという意見が多いようだ。 また、公務員なので失業リスクがないこと、各種手当が付くことから、一般的な公務員より給料が高いことも理由としてあがった。 女の子には結婚・出産しても働ける職業を選んでほしい 女の子になってほしい職業には、資格が必要で、結婚後も働ける職業がランクイン。とくにママは、「女性は出産を機に働きにくくなる」「ブランクがあると正社員として復帰するのが難しい」といったことを、身をもって体験している。そのため、手に職をつけ、ライフステージの変化があっても働きやすく復帰しやすい仕事に就いてほしいと願っているようだ。 【1位:看護師】自立した女性になってほしい ・女性が確実に経済的に自立していける数少ない職業だと思うから(40代女性介護職) ・高収入が見込めて、将来1人でも子どもを大学まで行かせることができる(50代女性パート事務職) ・この先も絶対になくならない職業だから。結婚や出産を経ても、また働けるから(30代女性事務職) 「仕事探しに困らない」「結婚・出産をしても続けられる」「経済的に自立できる」といった理由が多数。看護師は、総合病院、クリニック、介護施設、美容外科、企業の産業看護師といった職場の選択肢と合わせて、「夜勤あり」「日勤のみ」「パートタイマー」など働き方の選択肢も非常に広い。 そのため、独身時代はバリバリ働き、子育て中は仕事をセーブし、子どもに手がかからなくなったらフルタイムに戻るといったライフスタイルに合わせた働き方が可能だ。給料も高いため、「夫の収入に頼らなくてもよい」「一人でも生活できる」といった経済的な自立ができる点も、女の子におすすめする理由となっている。 【2位:薬剤師】手に職をつけてほしい ・病院、調剤薬局など就職先も多く食いっぱぐれない。そこそこの収入が見込める。結婚・出産後も働きやすい環境が整っている職場が多く、パートで働くとしても高時給が見込める(40代女性専業主婦) ・体を酷使する仕事ではないが給料が良い(30代女性看護師) 「全国どこでも働ける」「手に職をつけられる」「これからも必要とされる仕事だから」などが理由となっている。病院のある場所ならどこでも需要があり『食いっぱぐれない』のが、親としての安心ポイントとなっているようだ。 また、パートや派遣でも他の職種に比べて時給が高いため、結婚・出産・夫の転勤などによりフルタイムで働けなくなっても、安定した収入を得られるのも理由となっている。国家資格をもつ医療系職業でありながら、医師や看護師より体力的にラクな点をあげる人もいた。 【3位:公務員】苦労の少ない仕事をしてほしい ・お金に困らず安泰な職についてほしいから(20代女性専業主婦) ・ハードワークになりにくく、安定しているイメージがあるから(30代男性ゼネコン現場監督) ・企業の寿命は短命化する傾向にあり、そのような不安から解放させたいため(40代男性システムエンジニア) 「お金に困ったり失業したりするリスクを追わせたくない」「仕事で不安な思いをさせたくない」など、苦労をさせたくないという親心の伝わる意見が多かった。また、残業が少ない、福利厚生が整っているなど労働環境が比較的良い点も、公務員になってほしい理由となっている。 【4位:医師】誇りのもてる仕事をしてほしい ・私の父も夫も医師として働いており、医師という職業の尊さを実感しているから(30代女性学習塾の事務) ・替えが効かない仕事についてほしいから(40代男性製造業の技能職) ・収入面でも安心できるし、仕事できる場所は多くあるし、男女関係なく対等な立場で仕事ができそうだから(30代女性専業主婦) 「人の役に立つ仕事をしていてほしい」「誇りをもてるやりがいのある仕事をしてほしい」といった声が多数。また、今後もなくならない仕事であること、収入が安定すること、家族や親戚など身近に医師がいることから、あとを継いでほしいとの意見もあった。 【5位:保育士・幼稚園教諭】結婚後も続けられる仕事に就いてほしい ・資格を持っていれば就職に困らないから(40代男性学習塾責任者) ・手に職があった方が結婚、出産後も再就職しやすいから。実際、自分が再就職をするときに困ったので(30代女性飲食店パート) 資格があれば仕事探しに困らない、結婚後も続けられるといった理由から、「保育士・幼稚園教諭」がランクインした。ほかには、子ども自身が保育士になりたいと言っていたり、「歌がすき」「ダンスがすき」「面倒見がいい」といった子どもの特性から、保育士に向いていると思うとの意見もあった。 【6位:教師】やりがいのある仕事をしてほしい ・やりがいがあって子どもの未来のために貢献できる職業だと思うから(30代女性テレアポ) ・本人がなりたいと言っているので、ぜひ夢を叶えてほしい(30代男性システムエンジニア) ・公務員で女子でも安定している(30代女性ピアノ教師) 子どもたちの未来を担う重要な仕事で、やりがいをもって働いてほしいという意見があった。また、職を失う心配のない安定した職業であることも、娘におすすめしたい理由となっている。 【7位:管理栄養士】仕事にも実生活にも役立ててほしい ・国家資格でもあるし、自立して一人暮らしをする際にでも健康に気をつけて食事をとってくれそうなので(20代女性専業主婦) ・栄養士はいろんな場所で必要とされているから(30代男性医療従事者) ・自分がアレルギーで食べられないものが多いので、同じような子の役に立ちたいと言っていたから(30代女性救命救急士) 管理栄養士は、給食会社や病院、福祉施設、保育園など、さまざまな場所で必要とされる職業。そのため、就職先に困らない点が、女の子のお子さんに勧めたい理由となっている。 ほかにも、「栄養士の知識は実生活でも役立つから」「栄養士になることで、自分自身の健康にも気をつけてくれそうだから」という声も多くあがった。 パパ・ママが子どもの頃になりたかった職業ランキング ではパパやママは、子どもの頃どんな仕事をしたいと思っていたのだろうか。子どもになってほしいランキングと比較していく。 パパがなりたかった職業には、「スポーツ選手」「ミュージシャン・芸能人」「パイロット」など、夢のある職業がランクイン。 一方で、「スポーツ選手」「警察官」「エンジニア・プログラマー」など、男の子になってほしい職業と共通しているものもあった。ただし、男の子になってほしい職業ダントツ1位の「公務員」は、パパがなりたかった職業ではランク外に。自分自身がなりたいかと、子どもになってもらいたいかは別問題のようだ。 他方ママは、「ケーキ屋さん」や「お花屋さん」といった子どもらしい夢も多いが、女の子になってほしい職業である「保育士」「教師」「看護師」も上位にランクインした。子どもの憧れの仕事が、親の立場からもおすすめできる仕事であれば理想的ではないだろうか。 自分や家族と同じ業種・職種に就いてほしいと思っているパパ・ママは12.6% お子さんをもつ500人のパパ・ママのうち、自分や配偶者・親族などと同じ業種や職種に就いてほしいと思っている人は12.6%となった。 ・自分も起業してみて、厳しい時もあるが、好きなように仕事できて幸福度が増したから(30代女性会社経営者) ・親族のほとんどが医療従事者。話を聞くと大変だけどとてもやりがいがあると言っていたので、そのような仕事についてほしい(30代女性専業主婦) ・現在、夫婦ともにシステムエンジニアをしており、仕事は忙しいが見合った収入を得ているから(30代女性システムエンジニア) ・OLからのお嫁さんになってほしい。自分もOLから主婦になり、今幸せだと思えるので(40代女性専業主婦) ・私自身が歯科助手の仕事をしていて、女性の多い職業なので結婚、出産後も働きやすい職種だと感じるから(30代女性歯科助手) 「自分自身の仕事が楽しい」「仕事に誇りをもっている」といった意見のほか、「身近な人がその職業に就いていてよい仕事だと感じるから」といった意見も多かった。どんな仕事内容なのか、実際に働いている人がどんな様子なのかがわかる仕事であれば、子どもにも自信をもって勧められるのかもしれない。 <調査概要> 調査対象:お子さんのいる全国の男女 調査人数:500人(女性356人/男性144人) 調査日:2020年10月24日~26日 調査方法:インターネットによる任意回答 出典元:株式会社ビズヒッツ https://bizhits.co.jp/ ※イメージやグラフなどの画像が削除されていない元記事は「@DIME」にてご覧になれます。 構成/こじへい
@DIME