【インタビュー】つかこうへいの『リング・リング・リング』を元JDスターのMARUが演出し再演!長与千種役を現役レスラーと女優がダブルキャスト!
吉本女子プロレスJdでジャガー横田の弟子として2000年にデビューしたMARUは、元々女優であったこともあり引退後に劇団『水色革命』を設立。舞台演出にプロレスを取り入れ、レスラーと女優の融合による新しい演劇を作り上げてきた。 そのMARUが、『蒲田行進曲』で有名なつかこうへいの戯曲『リング・リング・リング』を水色革命で再演することを決めた。 長与千種を主役とした女子プロレス物語を令和に蘇らせ、MARUらしい新たな演出として『役者チーム』と『プロレスチーム』に別れた二種類の『リング・リング・リング』を創り上げた。 今月24日から始まる本番を前に、MARUと主役を務める岩井杏加&松井珠紗に意気込みを聞いた。
――まずMARUさんがプロレスをお辞めになられて水色革命を旗揚げされた理由はなんなのでしょうか? MARU「元々芝居の方からプロレスラーになったので、プロレス引退して正直やることがなくなったというか(笑)そういう部分がきっかけですね」 ――水色革命からプロレスラーが生まれていますが、そういう輩出しようという部分は始めから考えていらっしゃったんでしょうか? MARU「いや考えてなかったですね最初は。でもプロレスとは関わっていきたいという気持ちはずっとあって。自分が元レスラーなので自然とそうなっていった感じですね」 ――芝居を教えていた子たちがプロレスラーになると聞いたときは嬉しい気持ちだったのでしょうか? MARU「すごい嬉しいですね!」 ――最初に水色革命からプロレスラーになられた方はどなたになるのでしょうか? MARU「水色からなった人は実は松井珠紗ぐらいなんですよ。世羅りさは水色からとはっきり言えるかは微妙でして、水色の公演とは別にアイスリボンさんが映画のキャストを募集してたので、私からは進めていなくて自分の意志で応募していました。あと元スターダムの床田菜摘(翔月なつみ)はレスラーになってから水色革命に入ったんですよ。そこは(救世忍者)乱丸さんと同じです」 ――今までにも朱里さんや志田光さんなどレスラーが多く参加していますが、プロレスの演出を常に入れようというのは頭の中にありますか? MARU「ありますね。それはやっぱり自分が元レスラーなので、演劇界でこういうことできる人は私ぐらいしかいないと思う。せっかく演劇もやっているしプロレスラーでもあったので、2つの良いところを常にお客さんの前で出していきたいというのはありますね」 ――普通の劇団と水色革命が一番違う部分はどこなのでしょうか? MARU「やっぱりプロレスでしょうね一番は。プロレスラーがこんなにいる劇団はないですよね?うちぐらいだと思うんで」 ――そこはアクションの幅が広がるという部分があるのでしょうか?それとも表現の幅が広がるという部分があるのでしょうか? MARU「どっちもですね。どっちもあるし、アクションもプロレスのアクションの場合と演劇のアクションは全然違うので、レスラーがアクションできるわけではないんですよ。レスラーはあくまでプロレスなので、プロレスの試合シーンとか多く入れてるのは演劇のファンの方に、初めて見に来て頂いた時にプロレス面白いなって思っていただいて、プロレス会場に足を運んだりとか。逆もあると思うんですね、プロレスファンが来て演劇面白いな、水色面白いなってなれれば一番いいですよね。理想です」 ――プロレスの魅力と演劇の魅力はどこにあるとお考えですか? MARU「基本似てまして、プロレスは闘うっていう感じなんですけど魅せる事に関しては一緒だと思うし、生、ライブ感覚じゃないんですけどそこは一緒だと思ってて。違いは、レスラーのお芝居と役者のお芝居ってこれまた違うんですけど、違うんですけどレスラーはレスラーで私は芝居が上手いと思ってるんですよ。普段から常に4方向から見られていて表現をする。闘いですけど表現をしないといけないと思っているので。難しいですね。役者っていうのは芝居の技術があると思うんですね。プロレスラーはオーラが、立った瞬間に、お芝居って一面しかないんですけどその一面への魅せ方がレスラーは上手いと思うし」 ――その中で、今回芝居とプロレスの融合作品である『リング・リング・リング』を水色革命で再演しようと思った理由はなぜなのでしょうか? MARU「一番初めは去年の9月ぐらいに志田光が主演をやったコルバタ志田組という舞台に、マーベラスの彩羽匠が出演してくれてたんですけど、その時に長与さんが見に来てくださって、すごい長与さんが舞台に感動したのか楽屋に来ていただいて、ものすごい熱く語っていただいて。その時に『MARUさんリング・リング・リングやってみてくださいよ』と言われて。その時私はつかこうへいさんの舞台をやった事がないので、自分?いやー・・・と思ったんですけど、長与千種さん、自分から見たらカリスマだし大先輩の方に言っていただいたのは嬉しくて、やりました(笑)」 ――長与千種さんとは現役時代は絡んだことはないですよね? MARU「ないですね。プロレスラーになる前は私はクラッシュギャルズを見ていなかったんですけど、プロレスを好きになってから色々歴史を見ていたら、クラッシュギャルズのビデオとか見てたらすごい感動して。大好きになりましたね長与千種さん。そんな方にまさか言われると思わなかったので、うぉー!ってなりました」 ――今回長与さんがスーパーアドバイザーに入っていますが、緊張しますか? MARU「緊張します(笑)とっても緊張しますねやっぱり。長与さんお話をしててすごいなって思うのが、会話一つ一つ、言葉一つ一つにボキャブラリーがあって、色が付いてるというか、それがすごい勉強になってます」 ――舞台とプロレスが近いものがあるとおっしゃられてましたが、今回役者チームとプロレスチームの二種類公演する意図とは MARU「一番最初に長与さんに言っていただいてやるって決めた時に、その時に長与さんに『MARUさんの色でやってください』って言われて。つかさんとか長与さんの作ったものじゃなくてMARUさんの色でやってくださいって言われて私ってなんだろうって思った時に、私は役者だし元レスラーだからこのさい自分の色を出すために2つを。これも私にしかできない、やらない事だと思うしという感じですかね」 ――今回主役に岩井杏加さんと松井珠紗さんを選ばれた理由というのは MARU「色々迷ったりもしたんですけど、でもやっぱり、松井も岩井も劇団の中で若いんですけど、すごいいっぱい可能性がある魅力的な女優だと思ってるので、なので今回選びました、期待も込めて。まだまだですけど、期待を込めて」