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ヨーロッパ以外で開催できなくとも、今年のF1は”世界選手権”に認定される?

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motorsport.com 日本版

 6月2日、F1は開幕が遅れている2020年シーズンの序盤8戦の開催カレンダーを発表した。これはいずれもヨーロッパ圏内のレースであり、9月以降アジアや南北アメリカ、そして中東を訪れることが目指されている。ただ、新型コロナウイルスに関する状況は不透明な部分も多く、まだ不確定要素が残っているのも事実だ。 【ギャラリー】美しきF1マシン:伝説のモナコGP&最後のホンダV12……セナが魅せたマクラーレンMP4/7A  なおF1は”世界選手権(ワールドチャンピオンシップ)”である。シリーズ名称に”ワールド”を入れる際には、3つの大陸でレースを開催する必要があり、それがFIAの国際スポーティングコードで規定されている。 「FIAの名称が冠されている国際カップ、トロフィー、チャレンジ、またはシリーズ、およびそれらの競技は、それらに適用される規則で最低限、以下の要件を満たし、追加要件としてシーズン中、平均して少なくとも4つの自動車製造者の参加者が含まれていれば「ワールド」(世界)という文言(または、いかなる言語においても「ワールド」を意味するか、または「ワールド」から由来した文言)を唯一タイトルに付記できる」 「カップ、トロフィー、チャレンジ、またはシリーズのカレンダーに含まれるイベントは同一シーズン中に、3つ以上の異なる大陸を開催場所としなければならない」 (JAF発行のFIA国際スポーティングコード2020日本語版2.4.3条より抜粋)  しかしFIAの情報筋によれば、新型コロナウイルスの感染拡大という前例のない状況では、スポーティング・コードで規定された要件を満たす必要はないという。これについては、F1のマネージング・ディレクターを務めるロス・ブラウンも同様の認識を示す。 「理論的には、8戦からなるヨーロッパでのレースで、世界選手権を構成することができる」  ブラウンはそうmotorsport.comに対して語った。  なおヨーロッパでの8戦の後は、アジアと南北アメリカ、そして中東へと転戦する予定になっている。しかし、9戦目以降はまだ未発表であり、年末に予定されているバーレーンとアブダビ以外のフライアウェイレースは、開催が難しいのではないかと見る向きもある。  ブラウン曰く、状況が絶え間なく変化しているため、フライアウェイ戦のスケジュールを組むのは簡単ではないことを認める。 「それは大きなチャレンジだ。しかし、ヨーロッパのスケジュールを組むのでも、大変な挑戦だった」  ブラウンはそう語る。 「2~3週間前、1ヵ月前には不可能なように見えた。しかし、今ではかなりまともなカレンダーを作ることができるようになった」 「この状況は、ほぼ毎日変化していると思う。概して状況は良くなっているが、最悪の状況にある国もある」 「だからどれだけ回復しているのか、それを見るための時間的余裕を与える必要がある。メキシコはレース開催を望んでいる国のひとつだが、今パンデミックの危機に瀕している」 「難しい決断をする前に、猶予となる時間を置きたい。そしてその後で物事を進め、自分たちがどこにいるのか、それを確認したいと思う」 「様々な選択肢があるが、まともなシーズンをまとめることができると思う。どんな形になるのか、それを語ることはできない。しかし、良いシーズンをまとめるための、十分なレース数を確保できると思う」  フライアウェイ戦の中でも、アゼルバイジャン、シンガポール、カナダなどは、中止される可能性が高いと考えられている。その他のレースも、様々な理由で行き詰まっている。  重要な問題点のひとつは、無観客でレースを行なうことができるかどうかだ。無観客での開催となった場合、観戦チケットによる収入や、場内でのグッズ等の売り上げが期待できないことになる。このような収入がなくとも、そのサーキットが移動コストや開催権料を支払うことができるのか……それが、開催の可否を分ける重要な要素となるかもしれない。  しかしブラウンは、どのサーキットでのレースが行なわれる可能性が高いか、それを明言することを避けた。 「もし自信のあることについて話をしても、多くのことが起きているから、次の日にはそれが変わっているかもしれない。だから、それについては推測したくはない」 「検討しなければならない、たくさんのことがある。財政面もそのひとつだ。F1全体に対する影響、そしてそこに行ってレースをするために、我々とチームにどれだけのコストがかかるのか、そのいずれもだと言うべきだろう。それについて判断しなければいけない。それこそが、我々が今直面していることだ」 「一部の人たちは、今年の残りの期間はレースを行なわず、2021年からレースを再開することを主張した。しかし、それは悪い策だと思う。F1は、実際に我々が行なっていることよりも、もっと悪い場所にいると思う。そうでなければ、今やっているようなことはしていない。我々はこれら全ての要素のバランスをとっているんだ」  ブラウンは、9月以降のレースについてはフライアウェイ戦とすることが最優先だと語るが、ヨーロッパでさらなるレースを増やす可能性もあると認める。イモラやホッケンハイムはレース開催に立候補しており、すでに序盤8戦としてカレンダー入りしているサーキットを再び訪れる可能性もある。 「確かにそれも選択肢のうちのひとつだ。しかし、現時点で我々が検討している選択肢ではない。何ができるのか、それを確認しているだけなのだ。賢明な団体がそうするように、フライアウェイ戦で何ができるのか、ヨーロッパ内でどんなことができるのか、それを見極めているんだ」 「だから複数の選択肢がある。こういう選択肢があることは、我々にとっては幸運なことだ。ただ現時点で我々は、”プランA”を進めることを目指している」

Adam Cooper

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