米・シアトルのAmazon本社、都市型熱帯雨林のガラス球体オフィス〈スフィアーズ〉を体験!
● 世界的大企業の本社が集まる街で存在感を放つ、Amazon〈スフィアーズ〉
アメリカ西海岸の港町・シアトル。ダウンタウンの中心部をタクシーで流していると、2643枚以上のガラス板からなる球体ドームが出現して驚かされます。これはAmazonの本社にある〈スフィアーズ(The Spheres)〉。内部には世界30カ国から集められた4万本以上の植物が生い茂り、オフィスというよりさながら“都市型熱帯雨林”です。毎月第1、第3土曜日には一般向けにも無料公開されており、事前予約制でツーリストも中を見学できます。 【フォトギャラリーを見る】 成田・羽田から片道約8、9時間と、比較的短いフライト時間で渡航できるアメリカ都市の一つが、ワシントン州シアトルだ。世界的大企業がいくつも本社を構える街として知られ、歴史的には世界最大級の航空機メーカー・ボーイング カンパニーの本社にちなみ「Jet City(ジェットシティ)」として名を馳せてきた。
近年はマイクロソフト、エクスペディアなど大手IT企業の台頭に加え、スターバックスやコストコも本社を置くなどさまざまな産業が活性化。全米で最も平均年収の高い街の一つに数えられるほどとなった。
なかでも圧倒的存在感を放つのが、世界最大級のオンラインショッピングプラットフォーム・Amazonの本社だ。1997年にシアトルで1つのオフィスを開設した同社は、いまやピュージェット湾沿いに40以上のオフィスビルを建てるまでに成長。その一部である3つの球体〈スフィアーズ〉は、2018年からAmazonの従業員がミーティングやリラックスをするスペースとして利用されている。
ドームの中に足を踏み入れると、約200品種、2万5000株の植物が生息する北米最大級の「生きている壁」や、南米アマゾンの熱帯雨林をはじめ世界各地からやってきた珍魚が泳ぐ大水槽、ワイルドな滝が出迎えてくれる。まさに都会の中のジャングルだ。
ガラス製ドームは温室となっており、グリーンが育つのに適した室温22℃、湿度60%をキープ。球体内の熱は、周辺のオフィスビルで捻出されたエネルギーを再利用するエコシステムだ。さまざまな角度から日光があたるのは独特の形状がもたらしてくれる恩恵。調光を計算しつくされた150以上の照明も植物たちを照らしている。 まるでガラス空間に浮かんでいるように見えるのは、木製の歩道〈キャノピーウォーク(The Canopy Walk)〉。つり橋のように動く歩道の上を歩くと、重さ約18トン・高さ約20mにも及ぶ大木「ルビの木」を一望できる。