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京都市京セラ美術館や弘前れんが倉庫美術館、最果タヒやさかなクンまで。この夏見たい全国の展覧会10選

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美術手帖

浄土を追求してきた日本人の心の在り様を見つめる。「杉本博司 瑠璃の浄土」(京都市京セラ美術館)  今年5月、京都市美術館を大規模改修して開館した京都市京セラ美術館。そのこけら落としとなる展覧会「杉本博司 瑠璃の浄土」が10月4日まで開催中だ。  京都市京セラ美術館がある京都・岡崎は、かつて6つの大寺院が存在していた。今回の美術館リニューアルにあたり、杉本は「仮想の御寺の荘厳」を構想。世界初公開となる大判のカラー作品シリーズ「OPTICKS」や、京都・三十三間堂の千体仏を撮影した「仏の海」シリーズも展示。さらに杉本が蒐集してきた考古遺物などを並べた「宝物殿」にも注目したい。  加えて見逃せないのが、東山キューブに隣接する日本庭園に新たに設置された《硝子の茶室 聞鳥庵》(2014)だ。ヴェネチア、ヴェルサイユとふたつの都市で展示されてきた本作は、今回が日本初公開。杉本の創作活動を考えるととともに、「浄土を追求してきた日本人の心の在り様」を見つめ直すことができる展覧会となっている。 会期:2020年5月26日~10月4日 会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ 住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124 電話番号:075-771-4334 開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで 休館日:月(祝日の場合は開館) ※日時指定入場制。予約方法は公式ウェブサイトまで。 「創造」と向き合う過去最大規模の個展。「内藤礼 うつしあう創造」(金沢21世紀美術館)  小さな人の像や絵画作品、光、水といった自然のエレメントによって、根源的な生の光景を出現させてきた内藤礼。その過去最大規模の個展となる「内藤礼 うつしあう創造」が、金沢21世紀美術館で開催されている。  内藤礼は1961年広島県生まれ、現在東京都在住。91年に佐賀町エキジビット・スペースで発表した「地上にひとつの場所を」で注目を集め、97年には第47回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館で同作を展示。近年では、2018年に展覧会「内藤礼―明るい地上にはあなたの姿が見える」を水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催。自然光のみで展示を行う初の試みとなった。  これまで、「『人(わたし)がつくる』を超えること」を問い続け、自然から受け取ることで作品をつくり続けてきた内藤。今回は、その内藤が初めて「創造」と向き合いつくりあげた個展となっている。「『うつしあう』両者のあいだにあるものこそが生気であり慈悲であり、生へと向かおうとする心の動きこそが『創造』だ」と語る内藤の、その思索に触れることができる。 会期:2020年6月27日~8月23日 会場:金沢21世紀美術館 住所:石川県金沢市広坂1-2-1 電話番号:076-220-2800  開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)  休館日:月(8月10日は開館)、8月11日  料金:一般 1600円 / 大学生 1100円 / 小中高生 600円 ※日時指定入場制。予約方法は公式ウェブサイトまで。 記憶を継承した新美術館を楽しむ。「Thank You  Memory─醸造から創造へ─」(弘前れんが倉庫美術館)  青森・弘前市の元シードル工場「吉野町煉瓦倉庫」を改修し、建築設計を田根剛が手がけた弘前れんが倉庫美術館が7月にグランドオープンした。  現在、開館記念展として、藤井光、畠山直哉、ジャン=ミシェル・オトニエル、ナウィン・ラワンチャイクン、笹本晃、イン・シウジェン、奈良美智、藩逸舟の8名が参加する「Thank You  Memory─醸造から創造へ─」が開催されている。  地元・弘前出身の奈良美智による巨大作品《A to Z Memorial Dog》(2007)や、ジャン=ミシェル・オトニエルが、弘前の特産品であるりんごにインスパイアされて制作したガラスの彫刻作品《Untitled (amber, crystal and alessandrita necklace)》(2015)、15メートルという巨大な吹き抜け空間で展開されるラワンチャイクンのインスタレーション《いのっちへの手紙》(2020)などを、同館の個性的な建築とともに楽しむことができる。 会期:2020年6月1日~9月22日 会場:弘前れんが倉庫美術館 住所:青森県弘前市吉野町2-1 電話番号:0172-32-8950  開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで、カフェ・ショップは9:00~22:00 休館日:火(祝日の場合は翌日) 料金:一般 1300円 / 大学・専門学校生 1000円 / 高校生以下、弘前市内の留学生、満65歳以上の弘前市民は無料  注目アーティストの国内美術館初の個展。「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」(国立国際美術館)  6月に再開した大阪の国立国際美術館では「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」が10月11日まで開催されている。  ヤン・ヴォーは1975年ベトナム生まれ。4歳のとき、父親の手製のボートに乗って家族とともにベトナムから逃れた経験を持つ。海上でデンマークの船に救助され、難民キャンプを経てデンマークに移住。その後はコペンハーゲンやドイツ・フランクフルトで美術を学んだ。  現在はベルリンとメキシコ・シティを拠点に活動を行い、2018年にはニューヨークのグッゲンハイム美術館で個展「Take My Breath Away」を開催するなど、いま世界で注目を集めているアーティストだ。  ヴォーの、日本の美術館では初の個展となる本展。自身の経験や家族の歴史、社会的・政治的な歴史に彩られたレディ・メイドの物、写真や手紙などの蒐集品、そして周囲の大切な人たちの手でつくられたものを取り込む作品には、アイデンティティや権力、歴史、エロティシズムといったテーマが現れ、鑑賞者にひとつの事物に対して異なる角度からの視線を持つことを誘う。 会期:2020年6月2日~10月11日 会場:国立国際美術館 住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55 電話番号:06-6447-4680  開館時間:10:00~17:00 ※夜間開館は休止、会期中に再開の可能性あり。入場は閉館の30分前まで 休館日:月、8月11日、9月23日(ただし8月10日、9月21日は開館) 料金:一般 1200円 / 大学生 700円 / 高校生以下・18歳未満無料 ※入館時に検温を実施、マスク着用の義務化。こまめな手洗い・うがい・手の消毒を行い、十分な間隔を保って観覧、会場内での会話はなるべく控える。詳細は 公式ウェブサイトを参照。 鑑賞者の知覚を研ぎ澄ます螺旋。「久門剛史 らせんの練習」(豊田市美術館)  音や光、立体などを用いたインスタレーションで、鑑賞者の身体感覚を揺さぶる作品を生み出してきた久門剛史。久門の、国内では初となる大規模な個展「らせんの練習」が開催されている。  久門剛史は1981年京都生まれ、2007年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。これまで、身の回りの現象や特定の場所が持つ記憶、歴史的事象を採取し、音や光、立体などの断片を用いて鑑賞者の身体感覚を揺さぶるような空間をつくり出してきた。  本展で久門は、4つの展示室からなる約1000平米の空間を使い、それぞれの場に呼応する新作インスタレーションを展開。展覧会タイトル「らせんの練習」が示す通り、「真上から見て円であると認識していたものが、視点を変えて彫刻的に見たときにはじめて螺旋だと気づく」ような体験を、螺旋の構造をなぞるように展示室が配置された建築空間のなかに生み出す。鑑賞者の知覚を研ぎ澄ますようにうながし、モノに潜在する「永遠性」「唯一性」についての久門の問いかけを体感したい。 会期:2020年3月20日~9月22日 会場:豊田市美術館 住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1 電話番号:0565-34-6610  開館時間:10:00~17:30 ※入場は閉館の30分前まで  休館日:月(ただし5月4日は開館) 料金:一般 1000円 / 高校・大学生 800円 / 中学生以下無料 気鋭の詩人による言葉の展覧会。「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」(三菱地所アルティアム)  詩人・作家の最果タヒによる展覧会が三菱地所アルティアムで開催されている。  中学生のころからインターネット上で言葉の発表を始めた最果。2006年に投稿作品が第44回現代詩手帖賞を受賞し、翌年に刊行した第一詩集『グッドモーニング』で第13回中原中也賞に選出。2015年には詩集『死んでしまう系のぼくらに』で第33回現代詩花椿賞を受賞した。  「詩の展示」である本展で展開されるのは、空間全体で言葉を体験するインスタレーション。なかでも言葉のモビールで構成される《詩になる直前の、アルティアムは。》では、紙片の表裏に記された詩の断片が言葉の連なりを生み出し、鑑賞者はその偶然から詩を切り取ることができる。 会期:2020年8月8日~9月27日 会場:三菱地所アルティアム 住所:福岡県福岡市中央区天神1-7-11 イムズ8F 電話番号:092-733-2050  開館時間:10:00~20:00  休館日:会期中無休  料金:一般 400円 / 学生 300円 / 高校生以下無料 道内に所蔵される彫刻作品を紹介。「舟越桂展~言葉の森~」(本郷新記念札幌彫刻美術館)  厳かな静寂のなかにたたずむ人物像によって、人という存在の重みと深遠さを表現してきた彫刻家・舟越桂。  1951年、岩手・盛岡市に生まれた舟越は、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了し、文化庁芸術家在外研修員としてロンドンに滞在。77年に函館トラピスト修道院に聖母子像を制作して以来、楠(クスノキ)を素材に、凛とした存在感を放つ人物彫刻を数多く手がけており、2011年には紫綬褒章受章者となった。  人のまとう柔らかな空気までも漂わせる身体と、不可思議な光を宿した瞳が、物質的な次元を超えて、作品に向かい合う私たちに語りかけてくる舟越の彫刻。本展では、舟越作品の魅力を「言葉」というキーワードによって再考する。  会場には、北海道内に所蔵される彫刻作品6点を一堂に集め、作家自身によるエッセイ集に収められた言葉やドローイングとともに紹介。詩的な響きを持つタイトルにも着目し、舟越の作品世界における「かたち」と「言葉」の関係を探る。 会期:2020年7月23日~9月27日 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館 住所:北海道札幌市中央区宮の森4条12 電話:011-642-5709 開館時間:10:00~17:00(最終入館は16:30) 休館日:月(祝日の場合は翌平日) 観覧料:一般 600円 / 65歳以上 500円 / 大学・高校生 400円 / 中学生以下無料 写真家がとらえた日常から75年の月日を思う。「日常の光-写し出された広島」(広島県立美術館)  いまから75年前、1945年の広島は、原爆投下により焼け野原となった。その未曾有の状態を指して「75年間(70年間)は草木も生えぬ」と語られ、生活の再建や街の復興に努めた多くの人たちの尽力により、今日の姿に至る。  そんな広島という街は、これまで国内外の写真家によって、様々な視点から撮影されてきた。そこには、原爆被害に迫る写真だけではなく、広島に住まう人々の何気ない、しかし、かけがえのない日常をとらえた写真も多く見られる。  本展は、広島県出身の写真家6人、松重美人、明田弘司、高田静雄、迫幸一、藤岡亜弥、笹岡啓子 が撮影した広島に焦点を当てるもの。戦後から現代へと移り変わる広島において、写真家たちはいかに日常の情景を各々の手法で留めようとしたのか、その軌跡をたどる。 会期:2020年7月23日~8月23日 会場:広島県立美術館 住所:広島県広島市中区上幟町2-22 電話:082-221-6246 開館時間:09:00~17:00(金~20:00)※入場は閉館30分前まで 休館日:月(8月10日は開館) 観覧料:一般 510円 / 大学生 310円 猪熊が追い求めた生活の中の美を紹介。「猪熊弦一郎展 アートはバイタミン」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)  改修工事を経てリニューアル・オープンした丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。その最初の企画展が「猪熊弦一郎展 アートはバイタミン」だ。   猪熊は、家にひとついい絵があれば、それを毎日ほんの少し見るだけで大きな効果があるとし、美術館を「病院」とするならば、家で見る絵は「ビタミン剤」のようなものだと考えていた。そしてつねに暮らしを整え、自分の生活そのものも大切にしていた。本展は、同館の再開をきっかけとして初心に立ち返り、猪熊が考えたアートの役割と、猪熊作品が生活のなかにつくり出す美のあり方を紹介するもの。  「猪熊自身の暮らし」「プライベート空間への美の提供」「パブリックアート」の3部構成で、猪熊の終の住処となった田園調布の旧猪熊邸の台所と居間の再現や、猪熊作品のある暮らしの実例、また猪熊がデザインした家具や包装紙、加えて、長く愛され続けている代表的な4つのパブリックアート(慶応義塾大学壁画、JR上野駅壁画、香川県庁舎陶画、東京會舘壁画)の現在の様子を展観する。 会期:2020年6月2日~9月22日 会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 住所:香川県丸亀市浜町80-1 電話:0877-24-7755 開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで) 休館日:月(祝休日の場合は翌平日) 観覧料:一般 950円 / 大学生 650円 / 高校生以下・18歳未満無料 さかなクンのギョ苦楽展(笠間日動美術館)  魚の情報や海の問題について発信している魚博士、さかなクンの初となる展覧会が笠間日動美術館で開催されている。  さかなクンは1975年神奈川県生まれ。2006年より東京海洋大学で教鞭を執り、15年に同大学名誉博士を授与された。海の生きものの情報や正しい知識、おいしい食べ方や環境問題について全国各地で講演を行う。10年には絶滅したと思われていたクニマスの生息確認に貢献。さらに海洋に関する普及・啓発活動の功績が認められ、「海洋立国推進功労者」として内閣総理大臣賞を受賞した。  魚類学者として多方面でその豊富な知識を発信するいっぽう、画家としての顔も持つさかなクン。本展では、水性や油性のカラーペンや筆ペンなど身近な画材で描かれた海の生きものの作品およそ100点が展示される。  作品には、可愛いハコフグから、実物大で描かれたメガマウスザメまで、様々な海の仲間が登場。さかなクンが描く表情豊かな海の仲間たちを通して、魚や海について学び、海の豊かさをはじめとするよりよい社会をつくるためにどんなことができるかを考えるきっかけとなるだろう。 会期:2020年7月23日~9月22日 会場:笠間日動美術館 住所:茨城県笠間市笠間978-4 電話:0296-72-2160 開館時間:09:30~17:00 休館日:月(8月10日、9月21日は開館)、8月11日 観覧料:一般 1000円 / 65歳以上 800円 / 大学・高校生 700円 / 小中学生 500円

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