ユーロが2022年以来の安値、50bp利下げ確率50%に-経済に暗雲
(ブルームバーグ): 22日の金融市場でユーロは2年ぶりの安値を付け、トレーダーらは欧州中央銀行(ECB)による大幅利下げへの観測を強めた。ドイツとフランスの購買担当者指数(PMI)が予想以上の活動縮小を示した。
ユーロは対ドルで一時1%余り下落し、一時1ユーロ=1.0335ドルと、2022年11月以来の安値となった。対円では1.2%安の159円93銭と10月2日以来の安値を付けた。市場が織り込む12月の0.5ポイント利下げの確率は、21日の約15%から50%に急上昇した。
ユーロは過去3カ月のパフォーマンスがG10通貨の中で最悪の部類となっている。トランプ次期米大統領の厳しい関税計画がユーロ圏の先行きをさらに曇らせる中、トレーダーはドルとのパリティー(等価)に向かって下落すると見込んでいる。
ダンスケ銀行の外国為替調査責任者、クリストファー・クヤー・ロンホルト氏は「ユーロは大きな圧力にさらされている」とした上で、「PMIはユーロ圏の循環的な見通しに対する幅広い懸念、ひいてはECBの緩和見通しに関する観測を引き起こした」と述べた。
景気見通しの悪化を受けて、ECBは緩和ペースを速めるかどうかの選択を迫られる。トランプ次期米大統領の減税公約で市場が今後数年の成長加速を織り込んでいる米国とは対照的だ。
みずほインターナショナルのマクロ戦略責任者、ジョーダン・ロチェスター氏は「PMIの数字は、米選挙の前後を通じてわれわれが感じていた米国と欧州の成長見通しの相違を裏付けるものだ」と述べた。
ドイツの2年物国債が欧州債の上昇を主導し、利回りは13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.98%と、22年以来の低水準となった。
来年末までの利下げ幅予想も拡大し、約150bpが想定されている。
ユーロ圏の総合PMIも予想外の景気縮小を示した。11月のPMIは48.1と10月の50から低下。エコノミストは横ばいを予想していた。特にサービス部門の指数は1月以来の50割れとなり市場を驚かせた。