満開の桜撮影、線路内侵入相次ぐ 無人の嘉例川駅、JR「大変危険」
明治期に開業し県内最古の木造駅舎として人気の霧島市隼人のJR嘉例川駅で、一部の写真愛好家らが撮影のため線路内に侵入するケースが相次いでいる。レトロな駅舎と列車、満開の桜を撮れる絶好の時季だからだ。ただ線路内に無許可で立ち入ると鉄道営業法違反の恐れもあり、「事故につながりかねない」と懸念する声が上がる。 【写真】線路に侵入し、カメラを構える2人組=18日、霧島市のJR嘉例川駅(読者提供)
10年以上前から撮影で同駅を訪れる鹿児島市の自営業男性(45)は18日、カメラを持った男女2人が線路内に侵入しているのを目撃した。 男性によると、2人は隼人方面への下り列車を撮影しようとしたとみられ、列車が到着する約20分前から線路内にいた。列車がホームに入る際、警笛を何度鳴らされても動かず、列車が動き出して激しく鳴らされてようやく移動した。 男性は「毎年、桜の時季はルールを守らない人がいる。注意したら文句を言い返されることもあり、真面目に撮影する人まで肩身が狭くなる」と憤る。 JR九州鹿児島支社は、同駅が無人のため立ち入り禁止を呼び掛ける看板や案内を駅舎やホームに設置。3月からは構内の音声放送で注意を促す。今回の件も把握しており「線路内や立ち入り禁止のエリアでの撮影は大変危険。やめていただきたい」とコメントした。 2017年には、京都市内のJR線路内に無許可で立ち入ったとして、女性タレント2人が鉄道営業法違反容疑で書類送検され、起訴猶予処分となった。