「uka(ウカ)」のヘアケアラインが一新 楊枝でお馴染みの植物「クロモジ」に注力する理由
雇用創生も視野に入れたクロモジプロジェクト
ークロモジを採用するうえで気をつけたところはありますか? 過去、トレンドとなったがゆえに、乱獲されて絶滅危惧種となった植物が多くあります。クロモジは、母体は残したまま、枝だけを取って蒸留することができますが、乱獲が起こらない採取方法を確立していく必要があると考えています。
ークロモジ以外のこだわりを教えてください。 髪にツヤを与える成分として、よくシリコンが使われますが、これは不可逆性の成分で、自然に還ることがないんですね。そこで代替品として、伊豆の海で育ったフノリを使っています。クロモジが山肌を整えて、ミネラルが豊富な雨水が河川を通じて海に流れ込み、良質なフノリを育て、それを私たちがシャンプーとコンディショナーで楽しむという、大きな循環が生まれればいいなと思っています。 そのほかに、伊豆半島南東にある離島、利島産の椿オイル&エキスや、庄内平野のコメ発酵液、石垣のヘナ、ヴィーガン処方の20種類のアミノ酸などを使っています。
ーパッケージへのこだわりはありますか? 元々、ukaではバイオマスプラスチックの容器を使っていますが、私たちとしてはリフィルの利用を推進したいので、ガラスのように厚みのある重厚なバイオマスプラスチック容器を採用することで、「繰り返し何度も使えて、スタイリッシュ」という感覚を持ってもらえるようにしています。 また、容器はシンプルですが、リジェネラティブな活動への思いを知っていただくために、ボトルを覆う紙の裏側に、伊豆のストーリーなどを印刷しています。ちなみにこの紙は、クロモジを蒸留したあとの葉を再利用した再生紙を使っています。
ー今後の展望を教えてください。 ukaではクロモジ以外にも石垣島でヘナとインディゴを育てるプロジェクトを行っていたり、石垣島に農園を購入したりするなど、環境に配慮しながらも化粧品に有用な植物性成分をリジェネラティブに取り入れる活動を行っています。現在もさまざまなプロジェクトを同時進行していますが、美容という切り口で、環境保全や農業に役立つ取り組みを進めていければと考えています。