『帰ってきた 魔界村』レビュー。35年の時を経て“あの絶望感と達成感”を味わえる! 隠し要素や魔法&スキル習得のやり込み要素なども豊富で、魅力が詰まった1本
文:ゴジラ太田 2021年2月25日、いよいよ発売日を迎えるカプコンのNintendo Switch用アクションゲーム『帰ってきた 魔界村』。本作は、『魔界村』と『大魔界村』をモチーフに作られた完全新作。 【この記事の画像をもっと見る】 正直言うと、まさか令和3年に完全新作の『魔界村』が遊べるとは思わなかった。筆者はアーケード版はプレイしていなかったものの、ファミコン版『魔界村』とメガドライブ版『大魔界村』、ついでに言うならばスーパーファミコン版『超魔界村』などシリーズをひと通りやり尽くしてきたので、『魔界村』シリーズを極めし者と言っても過言ではない。 そんな筆者がうれしさとワクワク感を胸に、『帰ってきた 魔界村』のプレイレビューをお届けしていこう。 なお、本作のモチーフとなる『魔界村』と『大魔界村』は『カプコンアーケードスタジアム』で遊べるので、こちらも要チェック。 Switch『カプコンアーケードスタジアム』レビュー。便利な機能やランキングなど機能面はバッチリ! 全32タイトルの名作アーケードゲームを遊びつくそう! https://www.famitsu.com/news/202102/18214587.html 難易度選択で幅広いプレイヤーが楽しめる 35年前の初代『魔界村』は、家庭用移植版にも難易度選択がなく、プレイヤーすべてを絶望の底に叩き落した難しさが特徴でもあったが、『帰ってきた 魔界村』には4種類の難易度選択が用意されている。 初めて『魔界村』をプレイする人やアクションが少々苦手な人でも世界観を楽しみながらプレイできるので、そこを不安に思っていた人は安心していい。 冒頭でも書いたが筆者は『魔界村』シリーズを極めし者(自称)なので、当然最高難度……と言いたいところだが、さすがに30年ほど経っているのでリハビリを兼ねて最高難度より1段階低い“孤高の騎士”でスタート。しかし、ステージ1の墓場でいきなり少し後悔することになる。 懐かしいメロディの音楽が流れ「おー、『魔界村』だ!」という感動とともに始めたのだが、墓場の序盤からしてミスしまくる状況に。「これこれ、これこそ『魔界村』だよ!」と感激しつつ何度もチャレンジしていくが、本当に何度も死にまくる。 『魔界村』シリーズは現代になってから“黎明期の死にゲー”と呼ばれるほど、初見では100%死ぬような仕掛けが多数用意されているのが特徴で。本作『帰ってきた 魔界村』でも、その“死にゲー”イズムは全開だ。 「マジかよ!」と驚くようなミスをすることもあり、「つぎはこうやって進んでみよう」と、何度もチャレンジして難関を突破していく。ひとつの難関を抜けたときの達成感がとても心地いい……という、ハック&スラッシュな作りが本作の魅力であり、醍醐味なのだ。 レッドアリーマーが超強い! これこそ『魔界村』! 『魔界村』シリーズでは主人公のアーサー、プリンセス姫に次いで有名なのがレッドアリーマー。画面中を飛び回り、こちらの攻撃はことごとく避けてくるコイツに絶望を味わされたプレイヤーも多いだろう。 本作でも、もちろんレッドアリーマーは登場する。そして初めて戦ったときの最初の感想は「マジで勝てる気がしない」。 昔の知識を必死に思い出しながら「突っ込んできたところをジャンプで避けて振り向きざまに攻撃!」を実行しようとしても、なかなかうまくいかない。レッドアリーマーの動きを見る限り、昔の攻略法が通用しそうな気もするのだが、当時プレイしていた筆者は10代、いまは50近いおっさんである。 もしかしたら反射神経や指の動きなど、あらゆるところが鈍っているのかもしれない。まだステージ1の墓場の中盤で、レッドアリーマーという壁を超えられず、思うようにへ進めない。もう1段階下の難度で始めればよかったかな……と、泣き言を言いながらプレイしていると、黒い宝箱を発見! 黒い宝箱を破壊して出現する白いマジシャンを倒すと、レッドアリーマー戦の手前に隠し通路のようなものが出現した。 隠し部屋をクリアして外に出ると、なんとそこはレッドアリーマーがいる場所を越えたところ。レッドアリーマーをスルーして進むことができたぜ! こんな抜け道があったとは。 今回はレッドアリーマーとの戦いを避けて進んだが、このような感じで難所にはいろいろと隠し要素が散りばめられている。諦めずに挑戦し続けていると、とんでもないものを発見できるかも? という楽しさも。ステージを進んでいくだけではないのだ。 オービィの木での魔法&スキル解放がアツい! ステージの各所で捕まえられる(正確には助ける?)“オービィ”と呼ばれる妖精。 オービィを助けると“オービィの木”で魔法やスキルを段階的に解放できる。オービィの木はいくつも枝分かれして“実”のようになっている部分が魔法やスキル。習得する魔法やスキルの種類により、解放に必要となるオービィの数は異なる。 ステージを武器だけで進もうとするのはかなり難しいので、魔法やスキルの解放がステージの攻略に重要になるといっても過言ではないだろう。 オービィの木で解放した魔法やスキルは、オービィを戻すことで解放前に戻せる。ステージによって相性のいい魔法やスキルは異なるので、新たなステージに挑戦したときに「この場所は〇〇の魔法が欲しいな」という具合で、好きなようにカスタマイズできるのだ。 もし、どうしても先へ進めない場所が出てきたら、これまでのステージに戻り、まだ助けていたいオービィたちを集めて強力な魔法を解放して挑む、ということも可能。筆者がいま必死に習得したいと思っているのは、“小型&大型の敵をカエルにして無力化してしまう魔法、ガマLv2。 ガマLv1では小型の敵しかカエルに変えられないので、大型の敵までカエルにできるLv2が超欲しい。その理由は、ゾーン2のステージ“氷の町”で登場する大男がワラワラ出現する場所がまったく越えられないからだ。 『帰ってきた 魔界村』の原稿を書く前は、1周目くらいはサクッとクリアしてやるか、と思っていましたが、結果はまさかのゾーン2で足踏み状態。『魔界村』シリーズを極めし者(自称)と調子に乗って難易度“孤高の騎士”で始めたのがいけなかったかな……。 当時と違い、50手前のおっさんになっていることも考慮して、やっぱりもう1段階下の難易度にしようか悩み中。ちなみに、セーブデータは複数作れるので、現在のセーブデータを残しつつ別の難易度で新規に始めることは可能です。 そんなわけで、序盤のゾーンまでの報告とはなりましたが『魔界村』の難しさと楽しさが凝縮されている1本だと感じました。プレイ前は「いまの時代に合わせて多少は簡単になっているんだろうな」と予想していましたが、今回プレイした難易度“孤高の騎士”では、本当に当時の『魔界村』の絶望感を味わえる難度に。最高難度の“伝説の騎士”は、どんな難しさなんだ……。 本作では黒い宝箱などの各要素のほか、魔法やスキルの解放と、ステージを進むだけではなく探索する楽しさもパワーアップしています。自分の腕を信じてステージを突っ切るもよし、ステージを探索して主人公を強くしながらじっくりと進めていくのもよしと、いろいろな楽しみかたができる作品になっていました。 今回は試しませんでしたが、本作ではふたり協力プレイも可能なので、これまでの『魔界村』シリーズでは体験できなかった“まったく新しい遊び”も楽しめそう。 Switch『帰ってきた 魔界村』はシリーズで初めて“ふたり協力プレイ”が可能に。アーサーのご先祖様を使ってサポート https://www.famitsu.com/news/202102/21214722.html 完全新作の『魔界村』を堪能できて、初となるふたり協力プレイも搭載。これが税込3990円で遊べるのは、かなりオトク! 当時『魔界村』をプレイしていた人はもちろん、ふたり協力プレイでワイワイ楽しむこともできるので、友だちと遊ぶことが多い人にもオススメですね。 筆者もこの原稿を書き終えたことだし、まずは1周目クリアを目指すべく『帰ってきた 魔界村』に帰ろうと思います。
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